五反田発リスボン行き急行列車

五反田駅からリスボン行き急行列車に乗ることを夢想する前期高齢者の徒然

2019・11・9

2019-11-10 09:53:09 | 日記
母が昨日から補聴器の片方が何処を探してもないと騒いでいるもんだから、今朝も老老ブレックファースト(鰈の煮つけ、納豆WITHカイワレ,海苔、かぶの味噌汁)を食べてから母の部屋を大捜索する。一番怪しいのが母はテレビを見ながら眠ってしまうことが多いのでベッド廻りだが、枕やシーツを剥がしてみたけど、見つからない。勿論ベッドの下や机の廻りを探してもみる。洗面所で顔を洗ったりする時外すことも考えられたけどダメ。浴室にもない。こうなったら一昨日鞄を忘れてきた病院でリハビリ中に落としたのではないかと疑うが、母は絶対そんなことをないと言い張る。でも、念のために今日は土曜日で係の人がお休みだから週が明けたら聞いてみようと云うことで、この問題は一時ペンディングにして、11時にSクリニックに月に一度の定期検診に出向く。先月やった血液検査の結果が届いていたけど、母の体は頗る健康、心配されていた心臓疾患の方も問題ないとの由。但し先月に比べて母息子共に血圧が高めとのことで、更なる減塩&野菜生活を求められる。買物して帰宅後、昨日振込をしたキャストスタッフへの挨拶を入れた封書を作る。これで本当に全て「おんな」は終わったことになる。5時過ぎ野菜が一杯入った豚汁を減塩味噌で作って母の夕食用に届けてから渋谷のイメージフォーラムへ数日前の朝日新聞で映画評論家の柳下毅一郎さんが激賞していた中国映画「象は静かに座っている」(脚本監督・フーポー)を見にいく。柳下さんは「…この映画が若干29歳の若者の監督第一作だと知って驚愕するだろう。この映画を見て次回作を期待した人は、その作品が二度と作られることはないと知って落胆するだろう。この重厚な大作を作り上げたのち、監督フーボーはみずから命を絶った」と書いている。「若さと老成を兼ね備えた傑作たった一本を世に残して」とも書いている。だから見たいと思った。ただ問題があった。上映時間が四時間近い(234分)大作なのだ。余程体調と気力が備わった時でないと全部見ることは出来ないだろう。でも、どうしても今日みたいと思った私は、病院から帰ってすぐに予約をいれ、ちゃんと仮眠し、満腹だと眠たくなるので折角作った豚汁も食べずにで出かけることにする。そして見た234分。登場人物たちが傷つき、迷い、躊躇い、何処に行こうと同じだと思いつつもその街から旅立つ姿が過不足なく描かれていた。そう、234分は「過」でも「不足」でもなかった。一言のセリフと次のセリフの間にたっぷりとした時間があるもんだから登場人物たちの気持ちの逡巡がよく伝わって来る。こういう映画はもう一度見てみると、もっと堪能出来る筈。とはいうものの、本編の後のアフタートーク、続いて上映された監督の短編「Man in the well」まで入れると5時間の座り放しはかなりの重労働だ。
コメント
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