五反田発リスボン行き急行列車

五反田駅からリスボン行き急行列車に乗ることを夢想する前期高齢者の徒然

2019・11・3

2019-11-04 04:03:07 | 日記
72回目の誕生日の朝、風呂に入りにきた母が「お誕生日おめでとう」と言ってきたら、「いやいや今日は私の誕生日というよりあなたが母になった記念日ですよ」と答えようと思っていたのに、母の第一声は「おはよう。肌寒くなったわね」だった。その後「お誕生日おめでとう」は老老ブレックファースト(小田原の蒲鉾WITHカイワレ、タラコの昆布巻き、納豆、豆腐と蕪の葉の味噌汁)の後、今日はお昼からジャージャン(祖母の愛称)のお墓参りに行くからねと云うまで母の口からは出てこない。「そういえば誕生日にお墓参りに行くって言ってたわね」に続いて「ごめん、あなたの誕生日だって忘れてたわ」と言われた息子は、何ごともなかった様に冒頭の文句を返すことが出来た。前にも書いたような気がするけど、俺は原則的に墓参りはしない。お墓に向かった時だけ故人を偲ぶパフォーマンスをやっているみたいで嫌なのだ。特にジャージャンの場合は、お店にも写真が掲げてあるし、自分の部屋にもパネル張りにしたジャージャンの写真が二枚も飾ってあって、毎日顔を合わせて会話をしているもんだから小平まで墓参にいく必要を覚えなかったのだ。でも、今年はこの誕生日を期にジャージャンを主人公にした作品にとりかかることもあって、ちょっと挨拶に行くことにしたのだが、問題は母だ。いつもお彼岸と命日には一番下の弟が車で連れて行ってくれるのに、去年今年とお誘いはなかったみたいで、もう二年近く小平に行ったことがないと云うもんだから、だったら俺が同行するしかない。でも、ここからバスで恵比寿に出て、JRで高田馬場、そこで西武新宿線に乗り換えて小平まで急行で30分?そこまででももうすぐ97才になる母には大変なのに、小平霊園の入り口から殆ど反対側にあるジャージャンのお墓まではタクシーを使ってもいい程の距離があるので、車椅子で母を連れていくことにした。正直云うと母を車椅子に乗せての遠出は始めてで、最初は気軽に考えていたのだけど、駅での乗り降り、別の路線への乗り換えは結構大変。更に小平駅から霊園まで、そしてジャージャンのお墓まで葯20分車椅子を押していくのは慣れないせいもあってかなりの重労働だった。勿論、帰りもある。12時に部屋を出て、帰ったのが4時近く。二人とも疲れ切っていたので、老老ディナーは帰りに買ったお刺身盛り合わせですます。食後ウトウトとしてしまったけど、このままテレビを見て誕生日が終わるのも何だしと思って、行き付けの焼鳥屋に出向いて、一人で乾杯。これから一年が俺の勝負の年だ。
コメント
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