もう昨日から11月。頭の中は前作のことを忘れて次作のことに占められている。次作と言っても前作を見に来てくれた女優の服部妙子さんと桑原なおさんが終演後に並んで座っているのを見て「この二人、絵になる」と俺のインスピレーションが働いただけなのだが、俺の創作の原点は「絵」だ。タイトルは「M家の人々戦時篇(仮)」とした決めてないし、ストーリーはまだしっかりとしたものはない。二人には戦時中の40代の母親と20代の娘をやって貰いたいと思っているのけど、前回みたいに台本が気に入らないと言って女優さんに降板されては困るので、今回は小説に近いシノプシスを書いた上で二人に見て貰って、そこから台本執筆作業に入ることにした。そして二人の同意を貰うまで台本を書き直してからチラシの作成を含めた制作体制にかかるので、いつ上演できるか今の段階では決められない。そればかりか、台本が気に入って貰えなければ、こうしてお二人の名前を揚げてしまったけど、なかったことになるかもしれない。でも、俺の中では冒頭にも書いた様に次作の準備は進んでいる。ここでハッキリ宣言しよう。全部で三部作の「M家の人々」は俺が二十代の頃から書こうとしていた題材を中心にしたライフワークになる予定だ。今日は老老ブレックファースト(鰈の甘醤油煮WITHカイワレ、納豆、タラコの昆布じめ、まいたけの味噌汁)の後、この日記を書いて一休みしてから1時に目白にあるシアター風姿花伝に演劇企画体ツツガムシ第七回公演「ドイツの犬」(作・日向十三、演出・田中壮太郎)を見に行く。この芝居にはウチの公演」おんな」を見に来てくれた浜田学さんが出演している。彼はテアトロジャージャンの顧問格でもある浜田晃さんの息子で、広尾時代はウチの店でバイトしてくれていたこともあって、とても他人とは思えない間柄だ。それ故かどうしても肉親目線で見てしまうのだが、そんな身贔屓的目線でみても、浜田学は魅力的な役者になったと思う。学よ、もう一度羽ばたけ。終演後、目白界隈に住んでいる先日のうちの芝居を見に来てくれた人に連絡してお礼を言おうと思い立つ。まずは中学高校と一緒だった書道家のIさんに連絡して劇場近くの鰻屋で会う。彼女とは12才で知り合って72才になる今年まで殆ど途切れることなく交際を続けてきたのだから、どうせだったらこのままどちらかが死ぬまで「関係」を続けていきたいものだ。Iさんと別れた後、今度は以前法律事務所勤務で、現在は求職中のNさんと目白駅付近の居酒屋で会う。いつもは彼のお喋りに文句ばかりつけている私だが、今回はわざわざ呼び出した手前文句をつけるのはやめようと思っていたのに、こういう時に限って文句をつけられないお喋りをしてくれるもんだから、その店を出たあとももう一軒、目黒駅に隣接した階段途中にあるワンコイン制のカフェバーへ。そこは何となくリスボンの裏町あたりの雰囲気を持っていて、しばらく馴染んでしまう。嗚呼、リスボンに行きたい!