2019･11･7

今日は色々なことがあった。読み物として書くのだったら構成を考えなくてはいけないのだが、ここはごくごく時系列に書き記しておこう。今朝の老老ブレックファーストはハムサンドとチーズトマトサンド、それに夕べのかき鍋の残りの汁をベースにした白菜キノコスープ。最近とびきりの食パンを食べた影響かスーパーで150円で買ったパンが美味しく感じられず、困る。食後、芝居の関係する請求書が全て届いたので収支決算をする。かなりの赤字。でも、これはあんなことがあったのだし、仕方無い。一時に中野ポケットに行こうとした時に郵便ポストにディノスから先日買い求めて芝居にも使った鏡付本棚の代金(18万強)が口座から残高不足で引き落とし出来なかったとの知らせが入っている。ううん?これはどういうことだ?数日前に銀行で引き出しをしたけど、まだ残金は百数十万はあった筈。それなのに残高不足? まさかこの数日の間に何者かが俺の暗証番号を推理して残高を引き出したとか?それとも俺がネットでよからぬサイトひっかかり、法外な請求をされてしまったのか?あれこれ中野に到着するまで考える。でも、中野駅前のM銀行の支店で通帳をチェックしてみたら、おいおいおい、百数十万ちゃんと残金があるじゃないか?俺は当然怒り心頭でディノスに電話する。オタクら、一体どうなっているんだよ?と事情を説明して問いただす口調は正にクレーマー。処が俺が「今M銀行で残高を調べたら」と云ったくだりで、ディノスのオペレーターは「郵便局じゃなくて、銀行ですか?」と聞いてくる。「そうだよ、M銀行だよ」と語気強く答えると「お客様の登録口座は郵便局になっておりますが」と相手の小馬鹿にしたような声が聞こえて来る。え?郵便局?俺はキョトンとした顔になる。でも、しばらくして、ハハーン、そういうことか?ディノスなんかこの十年以上買い求めていなかったので口座変更の手続きを取っていなかったのか?と納得する。だったら「すいません。こっちの勘違いでした。今すぐコンビニで支払いたしますから」と低姿勢にならざるえない。ともかくそれですっきりして中野ポケットで「シェイクスピアシアター・シニア第一回公演」を見ることになる。これは演出家の出口典雄さんが主宰してシニア世代を中心にシェイクスピアを上演していこうと云う試みで、今回の「十二夜」と「ヴェニスの証人」にはテアトロジャージャンに二度出演したことのある島川由美さんがキャストに名前を連ねている。終演後(と言ってもまだ三時過ぎ)、これまたテアトロジャージャンのセミレギュラーのMさんとそのお仲間と中野ブロードウェイ裏にある居酒屋に流れて、芝居談義。俺は演出が刺激的で、飽きずに最後まで観てしまったが、他の人たちは演出家にたいする文句が炸裂する。このセミプロのお仲間たちにとって出口典雄といえば仰ぎ見る演出家のはずなのに、ここまで罵倒するなんて、色々な見方、受け止め方があるものだとつくづく思い知らされる。そんな風に芝居談義にうつつを抜かしている間に母がとんでもないことに巻き込まれていたことを俺は知る由もなかった。Mさんたちと別れて6時すぎに店に帰ってきた俺の目に飛びこんできたのは、カウンターにぽつんと座っている母の姿。今日母はお昼過ぎに近所のK病院にリハビリにでかけ、3時半すぎには戻っていた筈だった。それなのにどうしてここに?と問いただすと、エレベーターのカードが入ったカードいれを病院に忘れてきてしまったようなのだ。ウチのビルはセキュリティがしっかりしていて各階ごとのカードがなければその階にいけないものだから、母はカードがなくても上れる三階まできて、それからは階段で四階に上がって、合い鍵で店に入って俺の帰りを待っていたとか。だったら電話してくれれば飛んで帰ってきたのに、というと「カードと一緒にスマホも袋に入っているのよ」と悄然としている。だったら店の電話で俺の携帯にかければよかったじゃないか?と云うと、あなたの電話番号は携帯を見なければわからないのよと嘆く。病院に電話してみたけど、もう受け付け時間は終わっており、明日にならないと受け取れないとのこと。だったら仕方無いか?母を自分の部屋まで送って行ってから夕食として運んでおいた皿うどんを食べて貰う。それにつけても便利なようで不便な世の中だ。カードと携帯を何処かにわすれてきたら自分の部屋にも入れないなんて。以前にも訓練したことがあるのだけど、公衆電話からでも電話がかけられるようにしておかなくては……と自分としては今日一日の出来事を映画プロデューサーのKさんに面白おかしく話したつもりだけど、自分の作品がクランクインした時期で、俺のバカバカしさについていけないのは当たり前田のクラッカー。