功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『リーサル・パンサー』

2014-01-17 22:42:22 | 女ドラゴン映画
「リーサル・パンサー」
原題:驚天龍虎豹
英題:Lethal Panther/Deadly China Dolls
製作:1991年

●香港で殺し屋として暗躍する玄智慧(マリア・ジョー)と、日本人の暗殺者である宮本洋子。彼女たちは奇しくも同じ標的を殺す任務を与えられ、フィリピンのマニラへと飛んだ。
ターゲットはマフィアのボス・林聰で、CIA捜査官の胡慧中(シベール・フー)も偽札製造の容疑で彼を追っていた。標的を巡って3人の女傑は火花を散らすが、最終的に暗殺は成功する。実は今回の依頼は、全てを牛耳ろうと企んだ組織の幹部・呉啓華が仕組んだものであった。
 狡猾な呉啓華は、手下の方中信(アレックス・フォン)に命じ、殺し屋たちの口封じを目論んだ。玄智慧と宮本は潰しあうように仕向けられ、互いに手傷を負って共倒れとなるのだが、たまたま居合わせたシルビア・サンチェスに助けられた。
一方、胡慧中は両者の戦いを注視し、「生き延びた2人は必ず呉啓華を狙う」と推測した。しかし呉啓華は新たにヒットマンの麥偉章を雇い入れると、邪魔な対抗馬の李春華(『酔拳』のブッチャー)を始末させ、玄智慧たちのもとに刺客を放った。
 組織の追及によってシルビアが、玄智慧の相棒だった黄允材が、そして宮本が次々と死んでいく。やがて玄智慧の前に麥偉章が現れるが、その正体はパリに留学しているはずの彼女の弟だった。
突然のことに姉と弟は戸惑うが、襲ってきた方中信を返り討ちにしたことで一致団結。諸悪の根源である呉啓華を抹殺すべく、最後の戦いに挑む…!

 本作は少し前に「カビでテープが駄目になった」とお伝えした作品ですが、なんとか無事に再生することができました。とはいえ、監督が大量のニコイチ映画を量産した何誌強(ゴッドフリー・ホー)なので、内容に関しては実にスッカスカです(苦笑
この作品が作られた当時、何誌強はフィルマークとは違うプロダクションに渡り、ニコイチではない映画を何本か手掛けていました。主に女ドラゴン(大島由加里など)を主役にしたものが多く、本作もその流れで作られたのだと思われます。
 しかしストーリーは淡々と殺し合いを描いてるだけに過ぎず、そこには何の感慨やドラマもありません。爆破スタントや銃撃戦、格闘シーンなどを駆使して盛り上げようとしていますが、こちらも平均的な動作片以下のレベルでした。
特に格闘シーンでは、麥偉章や慮恵光(ロー・ワイコン)といった動ける役者たちを動かさないわ、胡慧中のアクションに吹替えスタントが目立ちまくるわと、とても雑な仕上がりになっています。玄智慧や宮本の暴れっぷりは悪くないんですが…。
 物語やアクションの全てが凡庸という、無味乾燥の四文字を地で行く本作。フィルマーク時代の作品よりもマシですが、マイナスがゼロになった程度の進歩なので無理に見る必要はないでしょう。
ちなみに本当にどうでもいい話ですが、上記画像にデカデカと写っているグラサン男は重要な人物ではなく、終盤で呉啓華に射殺されるザコのリーダー格だったりします(笑