功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『ナイト・ウォリアー』

2009-01-19 20:26:02 | マーシャルアーツ映画:下
「ナイト・ウォリアー」
原題:NIGHT OF THE WARRIOR
制作:1990年

●本作はある意味マーシャルアーツ映画版『空手ヘラクレス』といっていいぐらい、主人公が「戦おうとしない」作品だ。こっちとしてはマーシャルアーツ映画を見ているんだから、とっとと戦って格闘アクションの1つや2つぐらい見せて欲しいものだが…ま、それに関しては後述にて。
主人公のロレンツォ・ラマスはマフィアから借りた借金を返済すべく、日々闇の格闘試合で戦っていた。どうにか完済したラマスは、趣味の写真撮影に精を出したり、キャスリーン・キンモント(ラマスの妻)にアプローチをかけたりとハネを伸ばしはじめる。ところがマフィアはラマスを死の決闘に呼び戻そうと、再び動き始めたのだった。
やっとこさ綺麗な体になれた上に、これからカタギの生活をエンジョイしようという矢先だったので、もちろんラマスはマフィアの「また戻って闘え」という要求を跳ね除ける。当然これに怒ったマフィアは、ラマスに殺人の濡れ衣を被せたりと揺さぶりを仕掛けてきた。それでも勇敢にマフィアからの警告に反抗するラマス…しかし、キャスリーンが人質として誘拐されるに至って、とうとうラマスは闘いの舞台へと足を踏み入れてしまう…。
…というわけでこの作品、ラマスがなかなか闘いたがらないため、メインイベントとなる決闘は後半20分くらいになってようやく登場する。ここまで引っ張ってくれたんだから、さぞ凄い闘いが繰り広げられるのだろうなと思っていたのだが、事実上のクライマックスとなるVSジェームス・リュー戦は、真っ暗な空間の戦いなので見づらいことこの上なし。殺陣自体も単調だったため、これにはかなりガッカリしてしまいました。
また、このあとラマスがマフィアと蹴りをつける展開になるのだが、こちらもモタつきまくってて全然面白くない。あのデカブツ黒人とのタイマン勝負があるのかと思いきや、こちらでも思いっきり腰砕けな結末を用意してあるなど、ほとんど嫌がらせかと思うぐらいストーリー展開がゴタゴタしているのである。
ラマスが闘いたがらないなら、そのシチュエーションに符合したアクションを加味すればいい(例えば、ラマスの元へザコが何人か嫌がらせに現れて、それをラマスが蹴散らすなど)。だが本作は、その部分をアクション以外の要素で埋め合わせてしまっている。本作の大きな欠点は、この部分とラスト間際の未整理な展開の2つであったと言えよう。
ところで本作、製作と脚本に『タイムコップ2』のトーマス・イアン・グリフィスが関わっている。どうせならトーマスには本編にも出てきてもらったらよかった…と思うのは私だけ?