指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

阪神の小島に期待する

2007年04月03日 | 野球
日曜日は暇だったので、午後はBSで阪神・広島戦を見ていたが、阪神の新人投手小島が良かった。
5回を投げ失点2、4-2で勝利投手になった。
2失点も広島の投手大竹をなめて、甘い球を打たれたことから2点を取られたもので、あとは完璧だった。
何より良いのは、体が柔らかく、球をずっと持っていられることで、スピードは140キロも出ないが、相当に速く感じられると思う。
タイプとしてはソフトバンクの投手杉内に似ていて、なかなか打ちにくい投手である。
上手く行けば10勝近く行けるのではないか。
大リーグに行った井川よりも力んで投げない分、その安定性は上かもしれない。

『やさぐれ刑事』

2007年04月02日 | 映画
監督の渡辺裕介はドリフターズのいい加減な喜劇が多く、いつも裏切られていたので、これも見なかったが、初めて見ると傑作だった。
原作藤本義一、脚本は渡辺と国弘威夫。

冒頭の札幌での殺人事件から異常な緊張で始まり、素早い展開。
刑事原田芳雄の妻大谷直子が、ヤクザの高橋悦史に襲われ誘拐されて南下し、日本列島を縦断して鹿児島まで行き、原田が追う。
安易に人を殺しすぎだが、展開はいい。

ブルー・フィルム、コール・ガールにまでなる大谷直子が大変色っぽい。
大谷は、勝新太郎と兄妹となる増村保造監督の『ヤクザ絶唱』が大変良かったが、これも良い。
原田はいつもの演技だが、ジョークが笑わせる。

これには、新劇系の役者が多数出ていて、元俳優座の三戸部スエさんが出ているのが珍しい。三戸部さんは、1970年代の俳優座の分裂騒ぎのとき、何故か中村敦夫、原田芳雄らの「過激派」の側に付きフリーになったので、当時の『青春の殺人者』や『祭りの準備』等に出ている。
他に、赤座美代子、チンピラ時代の阿藤海もワンシーンの出演。
最後、一番の悪の大物・大滝秀治が残っていると言い、続編に続くような気配があるが、続編は作られなかったようだ。
1976年松竹作品。
この年、原田、渡辺で同傾向の作品『反逆の旅』があるが、直接のつながりはないようだ。

桜咲く

2007年04月01日 | 演劇
午前中、金沢文庫の称名寺で、この地区の「お花見バザー」があり、出かける。
桜は五分咲きと言う感じだが、やはり桜は良い。

桜と言えば、「桜の樹の下には死体が埋まっている」という坂口安吾の文が有名だ。
だが、私には劇作家矢代静一の『黒の悲劇』の冒頭の、

桜が咲いて冬でした

の方がぴったり来る。
そして、この台詞は、

だけど好き、あの人

と続く。
大学2年のとき、やった芝居である。