指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

『恋の羊が海いっぱい』

2007年04月28日 | 映画
黒木和雄特集、1961年羊毛振興会の企画の記録映画だが、なんとミュージカル。
羊をめぐる様々なイメージ映像の展開、飛躍がすごい。
その映像の華麗さは、後に黒木の名を一挙に知らしめた『飛べない沈黙』の映像の素晴しさと同等である。
シネスコ・カラーなのにも驚く。

途中でお針子のシーンがあるが、狭い部屋に若い女性を閉じ込め、早口の台詞と動きが交錯する。
市川崑の映画を真似したそうだが、九里千春、水垣洋子、五月女マリなど当時の若手女優が多数出ている。
次の『わが愛北海道』の主演の及川久美子(真理明美)もワンカット出ている。

ペギー・葉山の歌の作詞は谷川俊太郎。
スタジオや野外でのダンサーの乱舞など、完全に記録映画の枠を越えている。
このとき、すでに黒木和雄の才能が爆発していたのだ。
音楽小野崎孝輔。


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