指田文夫の「さすらい日乗」

さすらいはアントニオーニの映画『さすらい』で、日乗は永井荷風の『断腸亭日乗』です 日本でただ一人の大衆文化評論家です

小林正樹の今は見られない1本は 

2022年08月20日 | 映画

私も見ていない小林正樹の映画は、『食卓のない家』である。

                                                 

これは、小林監督の遺作で、円地文子の原作、連合赤軍事件で被告となった息子と家族の話だそうだ。

このモデルは、吉野雅邦で、都立日比谷高校では音楽部で、私と共にやった「ウォーマッド横浜」の制作・演出の田村光男も、音楽部で一緒だったのだそうだ。

吉野は、一橋大を受けたが落ちて、横浜国立大学に入り、そこで学生運動に行く。

その団体は、社会主義学生同盟マルクス・レーニン派という団体で、われわれは「毛沢東・レーニン派だろう」とバカにしていた。。

まさに彼らは中国派で、「銃から権力が生まれる、都市ではなく農村から革命を起こす」と信じている連中だった。

およそ信じがたい連中だったが、よく考えると、インテリで裕福な家庭に育ったお坊ちゃん・お嬢ちゃんのコンプレックスだったのかもしれない。

この吉野の父親は、某大手商社のエリートだったそうで、その家族の苦節は相当なものだったようだ。

もっとも、彼らの指導者の永田洋子の家は、裕福ではなかったようだが。

その辺をどのように描いているのか、非常に興味あるのだが。

現在では、フィルム原盤も不明で、権利も不明確だとのことだ。

たぶん、川本ビルなのだろうが。

 


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