猫じじいのブログ

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朝日新聞『愛子さまの成人に思う』で吹き出た象徴天皇制の欠陥

2021-12-01 22:31:35 | 天皇制を考える

きょうの朝日新聞(耕論)に、日本国憲法2条の「皇位は、世襲のものであつて」と、憲法14条の「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」とが互いに矛盾すると憲法学者の横田耕一が述べていた。

ここで、「皇位」とは「天皇の地位」のことである。

憲法2条と憲法14条の矛盾を覆い隠すために、皇族は「国民」でないという詭弁が、現在、取られている。だから、秋篠宮の娘、眞子内親王(眞子さま)が小室圭と結婚するとき、皇族を離脱し、日本国籍を取得してから、はじめて、結婚届を東京都(?)に出せた。

では、皇族が「国民」でないなら、なんなのか。人間でないのか、宇宙人なのか、神なのか、妖怪なのか。とにかく、法的には無国籍者らしい。基本的人権は適用されないようだ。

また、日本国憲法の精神「国民主権」との矛盾を覆い隠すため、憲法1条に「この〔天皇の〕地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」を加え、憲法2条に「国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これ〔皇位〕を継承する」を加えている。天皇は、国民の意のままに動くパペットのように規定されている。

横田はつぎのように締めくくる。

《 愛子さんの成人を1つの機に、天皇と皇族に何を求め、天皇制をどう考えるかを、存否を含めて一から議論すべきです。必要なら憲法を変えればいい。私は、天皇に変わる統合の軸を日本国民は確立した方がいいと思います。》

私も、血統をもってただの人間を天皇と祭りたて、「日本国民統合の象徴」とするのはマズいと思う。皇族が普通の人間とみんなにわかれば、飲み食いもウンチもセックスもしていることがわかれば、なぜ、このような人間たちを自分たちの統合の象徴とするのか、という不満が出るだろう。それを避けるために、政府が、皇族の虚像を国民に伝えれば、非合理的な思考を押しつけることになる。そんなことをしてまで、国民統合が必要な国はどこか狂っている。

2年前にも、令和天皇の即位にあたって、日本政治思想史家の原武史が、朝日新聞紙上で象徴天皇制をつぎのように批判している。

《 本来政治が果たすべきその役割が,もはや天皇と皇后にしか期待できなくなっているようにもみえる。そうであれば,ある意味では,昭和初期に武装蜂起した青年将校が抱いた理想に近い。民主主義にとってはきわめて危うい状況なのではないか。》

国民に分断が生じないようにするのは、政治の責任であって、基本的人権をもたない「皇族」に押しつけるのはオカシイのだ。



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