猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

人は、別に、人を殺したいわけではない

2019-05-17 12:07:35 | 思い出
 
毎年、日本の防衛費が伸びていく。防衛費といっても、兵器に防衛用か攻撃用かの区別があるわけではない。いつでも、攻撃用に使えるわけである。兵器は、ヒトを殺すためのものである。高価な兵器ほど、相手の顔を見ず、大量の人を殺すことができる。
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さびれた町を訪れると、よく、「自衛官曹候補生募集」を目にする。自衛官曹候補生とは任期制の士のことである。
 
自衛隊には、幹部コースと曹士コースとがあって、幹部コースは昔の軍人である。初めからエリートである。
 
曹士は兵隊さんである。士は任期付きの兵隊さんで、陸軍では2年の任期である。すなわち、非正規雇用である。曹となると正規雇用で、定年53歳であるが、幹部にはなれない。士からの曹への昇任試験は競争率数十倍の難関、といわれる。多くは正規雇用になれず、任期制の士を繰り返す。
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私が学生で寮生活をしていたとき、寮生のひとりを頼って自衛隊から逃げてきた若者がいた。夏休みだったので、その頼りの寮生はいず、その友人である私の3畳の部屋に転がり込んだ。私と共に、3畳一間に二人で寝て、ゆでた乾麺のうどんに醤油をかけて一日の食事として、頼りの寮生が田舎から戻るのを何週間か待った。
 
話しを聞くと、18歳になっても職がなく、ぶらぶらしているのはけしからん、と親にしかられ、自衛隊に入れられ、北海道で、来る日も来る日も、鉄条網の下の濡れた泥んこの大地を腹ばいで這いまわっていたが、つらくて、ついに逃げ出したという。
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この話は、自分の意思で逃げられたのだから、悲惨ではない。
ただ、知って欲しいのは、曹士だけが泥んこになって殺し合いの練習をするのであって、幹部は作戦を立て、曹士に指令するだけということである。
曹士は別に人を殺したいわけではない。
私の知っている人に自殺した人もいる。
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私の父は田舎町の商店主であった。当時は、裕福な家の子どもをのぞき、中学の卒業とともに働く。そんな2人の店員を覚えている。
 
先に店員になった子の父親は軍人で戦死していた。私の母は軍人に恨みをもっていたので、気が利かないとその子に冷たくあたっていた。私の父は、父親と死に別れたことを可哀そうに思うタイプなので、気にかけていた。自動車の免許をとらした。結婚して、独立し運送屋になった。父が元気に生きている間は、私の実家に正月よく遊びに来ていた。
 
後に店員になった子は、私の母のお気に入りで、いつも賢いとほめられていた。その父親は職人で、何を思ったか、昔は軍隊で鍛えられ大人になったと言い、その子が20歳になったとき、自衛隊に入隊させた。
もちろん、任期制の士である。何年かたって戻って来たとき、少しおかしくなっていた。職につかず、ぶらぶらしていたが、職人の父親が死んだとき、自殺した。
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人は、べつに、人を殺したいわけではない。それどころか、人を殺すことにためらう。ためらわずに、何も考えずに、人を殺せるように、自衛隊や軍隊は兵士らに訓練をほどこす。
彼らは別に人を殺したいわけではないから、自衛隊を国土交通省の下に、災害救助隊、災害復旧隊、国土整備建設隊として置いて欲しい。


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