猫じじいのブログ

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宮坂昌之の『新型コロナ7つの謎』、最後の謎ワクチンの有効性

2021-06-23 23:09:09 | 新型コロナウイルス

宮坂昌之の『新型コロナ7つの謎』(ブルーバックス)の7番目の謎(最終章)は「有効なワクチンを短期間に開発できるのか」である。本書は昨年の11月20日に出版されたから、新型コロナワクチンがアメリカで認可される前に書かれたものである。

宮坂は、ワクチンの開発がいかに大変かを説明した後に、つぎのように警告する。

《ワクチンが普通の医薬品と異なるのは、健康な人に投与することです。》

《慌てるがあまり、安全確認、予防効果の確認を怠って、不確かなものに飛びつくことは避けないといけません。》

《この点、気になるのが、ロシアやアメリカ、イギリスなどで行われているワクチンの過剰とも思われる激しい開発競争です。》

予防効果、安全効果は、これからの大量接種で、少しづつ判明することである。ワクチン接種において、政治が先行しているように私には見える。

承認前のテストにおいて、健康な人に接種するのだが、効果があったかどうかは、新型コロナの感染のリスクに遭わないといけない。感染のリスクに遭ったかどうかは、知りようがない。感染のリスクに遭わなければ、感染しないのだから、ワクチンが効果あったかどうかは、わからない。

ファイザー社が95%の予防効果があって、モデルナ社が94%の予防効果があるといっても、ファイザー社が本当にモデルナ社より予防効果があるのかどうか、わからない。承認申請にあたって薬品メーカがそう言っただけで、数値の信頼性はそれほど高いものではない。

宮坂は、免疫反応には個人差が多いという。

いま、アストラゼネカ社の接種率が高いイギリスでデルタ変異株(インド変異株)の新型コロナが猛威を振るっている。驚いたことに、ファイザー社のワクチン接種が進んでいるアメリカでも、ごく最近、デルタ変異株が急増していると、いま、テレビでいっていた。

安全性も、薬品メーカが危険因子を持っている人をテスト対象に選ぶはずがない。したがって、どの程度に危険因子を評価するには、普通の人びとへの大量接種の結果を待つしかない。

ヨーロッパでは、アストラゼネカ社のワクチンが血栓を引き起こすということで、一部の国で接種が控えられている。日本は予約したアストラゼネカ社のワクチンを台湾にまわすことにしている。

横浜市から送られた接種券には、接種の予診票、同意書とともに、ファイザー社の説明書が同封されている。

ファイザー社ワクチンを接種できない人はつぎのようになっている。

  • 明らかに発熱している人
  • 重い急性疾患にかかっている人
  • 本ワクチンの成分に対して重度の過敏症の既往歴のある人
  • 上記以外で、予防接種を受けることが不適当な状態にある人

新規開発のワクチンだから、本ワクチンの成分に対して重度の過敏症なんて知りようがない。また、最後の項目なんて何を言いたいのか、理解しがたい。

ファイザー社ワクチンの接種を受けるにあたって注意が必要な人はつぎのようになっている。

  • 抗凝固療法を受けている人、血小板減少症または凝固障害のある人
  • 過去に免疫不全の診断を受けた人、近親者に先天性免疫不全症の方がいる人
  • 心臓、腎臓、肝臓、血液疾患や発育障害などの基礎疾患のある人
  • 過去に予防接種を受けて、接種後2日以内に全身性の発疹などのアレルギーが疑われる症状が出た人
  • 過去にけいれんを起こしたことがある人
  • 本ワクチンの成分に対して、アレルギーが起こるおそれがある人

「注意が必要な」という意味がよくわからないが、接種後に重大な「副反応」があるかもしれないから何かがあったら、すぐに医療機関に連絡しろ、ということかと私は解釈している。

私は糖尿病のうえ、冠動脈にステントをいれており、抗凝固剤を毎日服用している。主治医に相談すると、こういうのは、免責事項で、それを気にしていたら、ワクチン接種を受ける人がいなくなると言われた。

そう、この注意書きも別に実験して得られた結果でなく、現在の世界的大量接種の壮大な実験が終了してから、本当のことがわかるということである。

TBS『ひるおび』のコメンテータ原田曜平が、自分の父が、接種後、重大な副反応を起こしたのに病院から厚労省に報告が行っていなかった、と怒っていた。今も、入院中であるという。接種率をあげるために、政府が副反応を隠すようなことをしていけない。どうも、死なないまでも、かなりの思い副反応があるようだ。老人に重い副反応が出ても、誰も抗議しないと、バカにしているように思える。

この流れにさからうのも、乗るのも、自己責任である。私の場合、来週に接種だが、副反応に2,3日苦しんであと、生還した幸運を祝うのも良し、というところか、と思う。

[補遺]

ちょうど今、飛沫によるインド株の感染率が他の株より2倍だということが、スーパーコンピュータ富岳を使ってわかったと理化学研究所が発表した。どうやって、わかったのだろうか。わかりようがないと思う。スーパーコンピュータを売り込むためにウソをつきまくるのではなく、もう少しましな研究に使ったらどうかと、腹ただしくなった。



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