猫じじいのブログ

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岸田文雄は安倍晋三の後継者と言いたくて「国葬」を強行する

2022-08-30 22:30:47 | 政治時評

朝日新聞の夕刊によると、あした、9月31日、岸田文雄がコロナ隔離を終え、記者会見で、安倍晋三の「国葬」を説明するとのことだ。「国葬」を説明するとは、なぜ国葬にするかを説明するのか、それとも、どのような「国葬」になるかを説明するのか、明日にならないとわからない。

私は安倍晋三をろくでもない男だと思っているから、「国葬」に反対である。どの世論調査でも、「国葬」に反対が「賛成」を上まわっている。

「国葬」の閣議決定をした岸田政権は、葬儀の国費は2億5千万円しか使わないとか、「国葬」だが国民に弔意を求めないとか、意味不明の弁解をしている。

それでも、国民の目が厳しいと思うと、岸田政権は、皇室に「国葬」の参加を要請している。宮内庁は「天皇皇后両陛下と上皇ご夫妻は、侍従を遣わして拝礼」と言って、深くい関わりを避けようとしている。安倍晋三が上皇(平成天皇)を日ごろバカにしていたから、上皇は個人的には安倍を拝礼したくないのであろう。

これまで、戦後、「国葬」にされた総理大臣は吉田茂だけである。吉田の国葬にも反対が多かった。が、佐藤栄作が閣議決定ということで強行した。

吉田も戦後長期にわたって政権の座にあったが、国民には人気がなかった。国際政治学者の高坂正堯は、「占領という異常事態、マッカーサー占領軍総司令官という後ろ盾がなければ吉田茂は首相になれなかっただろう」と、指摘をしている。

ジョン・ダワーの『敗北を抱きしめて』(岩波商店)に、つぎの記述があった。

<翌日、マッカーサーは組閣人事に苦慮している吉田首相を呼び出して、日本国内の食料危機を回避するためアメリカからの食糧支援を追加する約束をした。こうしてそれまで意気消沈していた翌日には新内閣の組閣発表を行うことができたのである。>

また、吉田は、占領軍総司令部と喧嘩して、

<そもそも日本を民主化できる可能性はないと言ってのけた。吉田の典型的にエリート的な表現によると、日本人には本物の自治を行う能力はない、そうでもないなどと言う者は、民族的な誇りのせいで目が見えなくなっているか、左翼の宣伝に酔わされているか、どちらかである。>

結局、「国葬」とは、権力の正統な後継者であることを主張するために、現政権が前任者を祭り上げるものでしかない。すなわち、佐藤栄作は吉田茂の後継者、岸田文雄は安倍晋三の後継者というためである。なさけない話である。

しかし、国民に弔意を求められない国葬とは何なのだろうか。