猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

新型コロナウイルス対策の立法措置は不要だ

2020-03-03 22:25:02 | 新型コロナウイルス

NHKによると、きのう、3月2日、安倍晋三は、「緊急事態宣言の実施も含め、新型インフルエンザ等対策特別措置法と同等の措置を講ずることが可能となるよう立法措置を早急に進める」といったようだ。新聞によると、「既存の新型インフルエンザ等対策特別措置法を改正する方向で検討している」といったようだ。
 
NHKと新聞の報道にはニュアンスの差があるが、NHKが、安倍政権の事実上のスポークスマンになっているから、安倍晋三の本音を表わしているであろう。
 
しかし、首相が非常事態を宣言したからといって、新型コロナウイルスの流行が防げるわけではない。首相に権限を集中したって、首相がバカであれば、人災が拡大するだけである。
 
既存の「新型インフルエンザ等対策特別措置法」は、2012年に民主党、公明党などの賛成多数で可決、成立した。共産党、社民党は反対し、自民党は欠席した。
 
「新型インフルエンザ等対策特別措置法」を読むと、その内容の多くは、感染症が生じたときに政府や自治体などの行政がどう行動するか、というマニュアルのようなものであって、そのとき、行政に逆らったものへの次の罰則がついている。
 
第76条 第55条第3項の規定による特定都道府県知事の命令又は同条第4項の規定による指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長の命令に従わず、特定物資を隠匿し、損壊し、廃棄し、又は搬出した者は、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
 
第77条 第72条第1項若しくは第2項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者は、30万円以下の罰金に処する。
 
第78条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
 
罰則がついているところが法律らしい。しかし、罰せられるのは民間人だけで、政治家や官僚が暗躍しても罰せられない。

だいたい、マニュアルなんてものは、法律にする必要がない。マニュアルは状況に合わせてどんどんと変えていかないといけないからだ。
 
しかし、マニュアルがあるのだから、それを新型コロナウイルス感染症に合わせて、手なおして実行すればよい。政府が事実を公表すればよく、罰則なんていらない。だから、新たな法律を作る必要がない。政府が事実に裏付けられた対策を行えば、国民の多数がついてくる。
 
立法措置に国会が労力を注ぐより、現在、行っている対策が適切であるか、どんな対策をした方が良いのかの公聴会を国会で開いた方が良い。
 
感染症の流行対策の柱は、あくまで、診断と治療の体制を確立することである。幸いなことに、ウイルス感染の診断方法は確立しており、他国ではできている。ところが、日本では「親方日の丸」企業をまもるために、PCR検査数を制限している。治療も決定打がないだけで、早期であれば、対処療法でおさえこめる。しかし、診断が行えなければ、対処療法もできない。
 
診断と治療の体制が整えられれば、国民の不安もおさまり、買いだめが鎮まるだろう。経済活動も元気を取り戻すだろう。
 
きょう、3月3日のテレビニュースでは、国がマスクを買い占め、北海道の新型コロナウイルスの流行が集中している地域に配るという。今から75年前の戦争中と戦後間もない頃の統制経済を思い出させる。子どものとき、親から聞いた話では、政府の統制はますます経済を混乱させただけであったという。こんなことで、感染流行対策になると思えない。
 
テレビでは、トイレットペーパは、工場に23日分の在庫があり、運送がボットルネックだが、一部の消費者が買いだめ行動をやめれば、十分に行きわたるという。不安だけを煽る発言を政府が繰りかえすのをやめるべきだ。

いま、外出禁止を政府がおこなうのも不適切だ。ほんとうに、危険だと納得すれば、誰も外出しない。
 
だから、人権を抑圧するような立法措置をして非常事態を宣言するというのは、現在の政府の無能さを誤魔かすものにすぎない。立法措置に反対である。