『 ヘボのアルバム 』

“ヘボ”ちゃんをこよなく愛する蜂狂さんとのコミュウニケーションの場です・・・

     『 戦艦大和の爺チャマ! 』

2012-10-23 21:15:52 | Weblog
             


Pensanと3回目の「スガレ追ひ」をする事になっていた・・・ が、昨夜からの雨、益々、強くなるばかり!!!
結局、1日中降り続いた!!!

日頃サボりにサボり続け溜まってしまった画像処理をしていると、久し振りに戦艦大和の爺チャマから電話があった。
「7月飼って上げた巣が順調に推移しているから見て欲しい!!」と・・・
「午後、温泉場へ出掛けるからそれ迄に来てくれないか?」・・・
戦艦大和の爺チャマは、働き者!!! 春は長芋の種蒔や西瓜の植え付け! 夏になると西瓜の出荷で大忙しだ! そして、今は牛蒡の収穫!!! そして、長芋掘りへと忙しく働く爺チャマ!!! 言うなれば朝暗い内から晩は真っ暗になるまで働き通し!!!
よく体を壊さないものだと感心する! この間に裏の田圃で米作りや葱栽培もしている。
流石戦時中船の上で鍛えた戦士の器だ!!!
この爺チャマは性格がイイ!!! 「アイ!アイ!!!」と返事をして年寄りにしては頭の回転が速い! 大好きな爺チャマ!!!

15分程で爺チャマの家に着く。
爺チャマは牛蒡の出荷準備をしていた。 その量たるや物凄い!!! 山程積んであった。
飼い蜂を見るとス~~~イ!ス~~~イ!!!と、勢いよく空に噴き上がっていた。 生憎の雨、通いは中断中?らしく、朝晩は、物凄い通いだ!!!と喜んでいた。
そして、「明日、燻して一杯ぺ~遣らないか?」とお誘いが来た!!!
今夜は泊まり掛けの温泉湯治だが、明日午後には帰って来るので、「迎えに来てくれる!!!」と、言う・・・

こんな約束をして明日の予定が出来た。
帰り際、取り立ての牛蒡と新米を頂いた!

明日は、爺チャマの仲間数人と酒盛りになる・・・ 

昨日の続きを・・・
「ネジレバネ」の話だったなァ~~~
正直の所、この「ネジレバネ」は、信州では殆ど見る事が出来ないので、耳学問と僅かな経験則に基づいて書いて見たい・・・
もうもう何十年とヘボちゃんと戯れて来たが、コイツと出会ったのは、愛知の蜂狂:Konちゃんがクリスマスプレゼントに女王蜂に寄生しているコイツを送ってくれたのだけである。 女王蜂の腹部関節に1匹潜り込んでいた。
何と言ってもコイツの生活史は、実に、奇妙で、神秘に満ちて居る!!!
老い耄れ爺もコイツに頻繁に出会えるなら、少々、観察勉強したくなる存在である! 実に興味深い生活史を送っている。
そうだったよなァ~~~!!!    もう、3~4年前になるだろうか?
京都の大学院生からこのブログを通して『「ヤミスズメバチ」の調査研究に出掛けよう!!!』と、いう提案があった。 一寸興味があったので、同行を約束した。 聞いて見ると、氏は、「ネジレバネ」の研究をしていて、熱々だと言っていた。 ヘボちゃんへの研究転換を進めたが、首を縦に振らず、「ネジレバネ」1本で行く!!!と、申していた。
3月、マレーシヤへ「ヤミスズメバチ」の調査探検に行く約束にになっていたが、その後、音沙汰がなく!!!  この探検は不発に終わった経緯がある・・・
こんな話もあり、余計に「ネジレバネ」について興味があった。
何と言ってもコイツの興味深い点は、雌(♀)には、翅が無く、羽根の生えている雄(♂)蜂と交尾しするという、昆虫界にあっても極特異な存在派である! 前にも紹介した事があるがこういって点では「フユシャク」と似た所がある。
恐らく、楢や椚の樹液界隈に幼少ネジレバネは屯していて、大型スズメバチやヘボちゃんが近付くと飛び付き乗り移り、スズメバチ類の腹部関節に潜り込み巣に運ばれているのだろう? その儘の事もあるが、スズメバチ類のコロニーに辿り着くと、他の蜂に乗り移る事もある・・・
こうして、冬中餌となる奇主に在り付ける。
此処で興味深いのは、コイツに取り付かれると働き蜂と雖も冬を越す事が出来る!!!という、離れ業!!! 何か特殊な分泌物を出し、餌となる奇主を生き永らえさせ、チビチビを体液を吸っているのだろう!!!
Konちゃんから送られて来たコイツは、女王蜂に寄生していた!
岐阜や愛知等暖地には比較的多くコイツが生息していると聞く! Imai会長がそう説明してくれた。
春、コイツが成長すると奇主は死亡する。 こうして寄生したコイツは雌ばかりで、外に運び出された瞬間、また、野生生活を開始する。ここで多く子供産み、ソイツ等が大きく成長、交尾、雄は死んで行く・・・そして、雌は、再びスズメバチに乗り移るという離れ業を展開して、このサイクルを繰り返して行く・・・
実に奇妙な生活史を営んでいて、技術系出身の老い耄れには、興味深い!!! 京都の大学院生がコイツの研究に嵌っていたのも頷けた!

当地で見る事は殆ど出来ないが、岐阜や愛知の蜂狂さんで、女王蜂を捕獲越冬させている方は、冬場、休眠中の女王蜂をよくよく見るとコイツが寄生しているだろう・・・ 比較的多いという・・・

こうして、コイツの挙動一つ一つ見て来ると、実に、興味深い点ばかりである!!!  
昆虫の世界は、実に、興味深い!!!
更に、より詳しく勉強したい御仁は、老い耄れ爺が書いた「 Shy・・・、 the Vespula 」、松浦先生の名著:「スズメバチ類の比較行動学」等を読まれるとイイ!!!

<参考>
挿絵は、
   a:雄(♂)   
   b:雌(♀)である。 こんな頓狂な昆虫もかなり居る・・・