毒餃子がちょっと香ばしくなりつつある気配を示しているのですが、思うところがあって今日はスルー。寝かせます。
その代わり、といっては何ですが同じ冷凍食品の話題を。ただし毒入りではありませんし、日本の話でもありません。とはいえタイトルの通り、日本人がたくさん住んでいる上海市を舞台としたニュースです。
●スーパー販売員が客と口論、包丁で切りつけ大ケガ―上海市(Record China 2008/02/15/17:45)
http://www.recordchina.co.jp/group/g15598.html
2008年2月12日、新民晩報によれば、上海市でスーパーの販売員が返品に訪れた男性と口論になり、包丁で客を切りつけケガを負わせるという事件が起きた。
男性は購入したジューサーを返品しようと、旧正月前に返品のため一度訪れていたが、レシートを忘れていたため返品できず、店員から休み明けにまたレシートを持参してきてほしいと言われた。11日夜、再び返品のため訪れたとき、その店員がおらず、他の店員たちはボールで遊んでいた。男性が返品を頼もうとして、店員の一人を店長室へ連れて行こうとしたところ、別の店員との間で口論となり、店員が突然包丁を持ち出し、男性は背中を切りつけられた。
男性は出血がひどく、病院へ搬送された。診断の結果、背中に長さ10cm、深さ3cmの傷を負っていたが、幸い命に関わることはなかった。現在、警察が事情聴取を行っている。スーパーの責任者は男性の見舞いに病院を訪れ、賠償を申し出ている。
スーパー側の説明によれば、容疑者はジューサー生産工場から派遣されてきており、事件が起こる前まではまじめに働いており、特に異常は見られなかった。(翻訳・編集/岡田)
……ち、違っ!
でも「他の店員たちはボールで遊んでいた」「店員が突然包丁を持ち出し、男性は背中を切りつけられた」ってのはすごいですね。営業時間中にお客そっちのけでボールで遊んでいたのなら中国の良き伝統がいまなお健在であることに安心感を覚えるのですが。
まあ、客がいるのに構わず、ライバル店の弁当を店員たちがでレジで試食してあれこれ意見するするコンビニがあるくらいですから、ボールで遊んでいても不思議ではないかも知れません。むしろボール遊びができる空間のあるゆとりに感心します(バレーボールのトス回しとかだったりして)。
閑話休題。
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上海市のスーパーなどで販売されている冷凍食品について、温度管理が極めてずさんで合格率は20%にも満たない、というレポートがこのほど発表されました。
「上海スーパー食品安全研究レポート」というもので、上海連鎖経営協会(スーパーやコンビニチェーンの業界団体?)と上海商学院流通経済学院が共同で作成した報告書です。
これによると、上海市のスーパーで販売されている食品の取り扱いなどについて細かく項目分けして調査したところ、総合基準における合格率は81%に達し、特に仕入れ、保管、店員による取り扱い、問題食品の処置などについては合格率が91%に達しました。
……と記事は賞讃調なのですが、逆にいえば総合評価で約2割、仕入れ・保管・店員の質・トラブル対応などで約1割が不合格ということにもなります。摩天楼が建ち並び中国の経済発展のシンボル的な存在である上海市でこの成績、ということに喜ぶべきなのか「あちゃー」と言うべきなのか。
仮にこの成績を良好と評価するにしても、です。同レポートによると製造・品質検査・安全管理・販売の4つの段階での合格率は総合評価(百点満点で81点)を下回っており、スーパーで売られている食品の安全を確保する上でのアキレス腱になっているそうです。具体的な合格率は記事に出てきません。
製造・品質検査・安全管理・販売の現場に問題があるのならダメダメだと思うのですが。……ハッ!だから「トラブル対応」には手慣れていて点数もいいのかも。とりあえず総合評価に照らせば、スーバーの5店に1店で売られている食品には危険な香りが漂う、とでもしておきましょうか。
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ところが実は「8割がアブナい」ものがあるそうで。……いや「8割以上」ですね。それがタイトル通り冷凍食品です。
同レポートによれば、冷凍・冷蔵食品は輸送段階での温度管理が極めてずさんで、基準に達している業者は全体の20%にも満たないとのこと。簡単にいえば冷凍・冷蔵食品の大半は常温で各店舗へと運ばれてくるということです。ええ、もちろん冬でも、夏でも。
上海市の某大手スーパー食品加工配送センター筋によると、一部の業者は冷凍・冷蔵食品の輸送に専用トラック(冷凍車とか)を使用していないとのこと。専用トラックを使っていても、冷凍・冷蔵機能を作動させていない業者が一部にいるようです。それなら密閉空間であることが災いして逆に普通のトラックより「室温」が高くなるではありませんか。
夏などはどうなっているのでしょう。冷凍食品は輸送段階でいったん自然解凍されたものが店舗で再び冷凍されることが多く、店舗によってはさらに店内で自然解凍~再冷凍された上で売り場に陳列される製品もあるそうです。ですから評価点は20点未満。
上海にしてこのレベルです。冷凍・冷蔵食品については毒入りかどうかという以前の問題。手を出さない方が身のため、といえるでしょう。
●『大公報』電子版(2008/02/16/11:06)
http://www.takungpao.com/news/08/02/16/ZM-864638.htm
……ええ、一応香港の親中紙が出した記事であることを付け加えておきます。ソースは台湾・中央通信ですが恐らく上海の地元紙あたりの記事を転載・配信したものかと思われます。