日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 今日の東京都心部は朝からいい天気です。空気が澄み切って冴え冴えとした、私にとっての
「あーこれが日本の冬だ冬の空なんだよ」という青空。20代半ばから30代の多くを香港とか台湾といった北緯20度あたりで過ごしてきたので、こういう空にめぐりあうと、ああやっぱり日本はいいなあとしみじみと思うのです。

 上半身を晒して拙宅の風水を乱している東京タワーもいつもより大きめではっきりと見えています。むろんY老師の診断に基づいて処置は施してあります。その方角に向いている仕事部屋の窓をベルベットの分厚い真っ黒なカーテンで覆い、その窓際に置かれた背の低い書架の上に観葉植物のポトスを4鉢。

 
ベルベットなのもなのもサボテンじゃなくて観葉植物なのもそれが4鉢なのも、みな私の「命」(八字)に照らして指定されたものです。Y老師の通訳を務めていた経験からいうと、カーテンの生地がベルベットなのとサボテンでなくて観葉植物なのは、たぶん東京タワーが電波ゆんゆんでその強烈さは電線の比ではないからだと思います。

 ともあれ申し分のない上天気なのですが、今日ばかりはその青空が恨めしいのです。

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 私はリーマンですけど裁量権がそれなりにあって好き勝手に動いていいという「遊軍」ですし、香港企業の東京駐在員ということで在宅勤務でもあります。……と書くと恵まれているようではあります。実際通勤する必要はありませんし自宅ということで気楽だったりする面はトクしていると思います。

 しかし、しかしありていは曜日と昼夜を問わずに働かされるという涙の一直配置。常にスクランブル待機所に詰めている戦闘機搭乗員のようなものです。orz

 要するに「非番」というものがありません。スケジュールを自分で調節することでオフめいた時間をひねり出しています。腰を据えてやや恫喝しつつ交渉してまとまった休みを奪取することも稀にありますけど(10月の中国共産党第17回党大会のころがそうでした)、休んだ分の仕事を代行してくれる人なんかもちろんいませんから休んだ後が大変です。

 そして年末になると本業も副業も忙しくなります。日本のようにクリスマスから正月になだれ込めるなら、まだいいのです。あいにくこちらは香港・台湾市場が相手ですから、クリスマスに一度、さらに旧正月の手前に一度商戦のピークがあるので
地獄の年末進行が2回もあります。

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 「年末進行」というのが一般に通用するものかどうかわかりませんが、雑誌やテレビなどの世界ではごく普通に使われている言葉です。

 正月休みのためにその時期に出すものを年末に無理してまとめて作ってしまえ、というもので、例えば週刊誌なら2週間で1号&合併号を制作することで1週間~10日くらいの休暇をひねり出します。

 合併号は邪道だ潔くない、という副業先の編集長のようなポリシーを持つ編集部だと3週間で5号分くらい制作することになります。本業の制作物もクリスマス商戦に備えていくつか同時進行しており……って毎年この季節になるとこういう愚痴を並べているような気が(笑)。

 とにかく複数進行している本業の制作作業のひとつが昨日今日明日あたりがヤマ場なので文字通りの一直配置。もう36時間くらい寝ていません。自分が制作者ならまだいいのですが、待機していて香港サイドから五月雨式に送られてくるゲラをチェックし、ほらこっち直してあそこ抜けてるじゃん、というのは苦痛です。日本側からバイク便も届きますし。

「自宅に籠れ。外に出るな」

 と、この時期ばかりは行動に制約がかかります。だから今日のような見事な冬晴れの空は恨めしいのです。

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「御家人さん出かけちゃダメだよ」

 って念押されなくたって出かけませんよ。そもそも出かける体力がもうありません。蒲柳の質でこの歳なのにこんなことやっているんですから、そりゃ長生きできませんよね。いまはいつもの近所の店で茶をしばく気力はもちろん、下のコンビニで中国人店員とじゃれる元気すら、もうどこにも。

 ……ああそうでした、結局いつもこうなります。店長さんとの約束により
「この妙ちくりんなオサーンは中国語がわかる」という秘密は保たれているようですが、コンビニの中国人店員になつかれてしまいました。店長さんは店長さんで「この人は本社差し回しの隠密かもしれない」と私を疑っているフシがありますし(笑)。

 そうだ中国の話をしないと。最近は電波なイベントが多くてそれに躍らされてばかりなのですけど、実は物価高がさらに進行しているという大事な話にまだ取り組んでいません。

「汚職より物価高の問題の方が切迫している」

 という前線指揮官(地方当局の党幹部)たちの認識が最近「新華網」で紹介されていました。これは非常に重大なシグナルです。

 汚職なら潤う奴の周囲に迷惑する人たちがいる、という程度ですが、それでも土地収用問題などで農村暴動などが起きていますね。ところが
「汚職より物価高の方が心配」というのは広範な生活者、大雑把にいえば超格差社会における「残りの8割」たる庶民の台所を直撃してやり繰りをより厳しくさせるものですから、可燃度でいえばすぐどうなるという訳ではなくても、そのポテンシャルは比較になりません。

 万一という極端な仮定話ですが、いまこの状況下で突然株式などの財テク資産が紙くず同然になってしまったら、都市部住民にはどのくらいダメージになって、それでもなおどれだけ耐久力を残しているのか。またどんな形の「逆ギレ」現象が群がり起こるか。

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 それをあれこれ考えてワクテカするのではなく、現場はこの状況をどう捉えているのか知りたいなあと考えていたところに、

「Aさんが東京に来ているっていま連絡がありましたよ」

 と恩師からの電話。昨日の話です。Aさんは私より4つか5つ年上でかれこれもう15年ほど会っていない生真面目な好漢。

 このAさんが地元の有名大学を出て確か修士まで行ったあと日本に留学してきました。私がまだ大学生のころで、日本での生活が落ち着く時点まで恩師が色々と支援し、私は学生でしたからカネはありませんでしたけど東奔西走する元気はあったのでその役回りを引き受けました。

 で、Aさんは日本では経済学を修め、博士号を取得してから帰国して母校に戻り大学の先生でしかも役付き。……だけでなく、意外にもテレビなどにも引っ張り出される
カリスマ経済学者へと華麗なる転身を遂げました。書きものも依頼が多いらしく地元の新聞や大手ポータルのニュースサイト、果ては『人民日報』にもAさんの評論が登場したりするのを記事漁りをしていて見かけます。

 「新浪網」で初めて見て驚いて、調べたら連絡先が判明してメールしたのが昨年のことです。打てば響くが如くすぐに熱いレスが戻ってきて、それ以来ときどきメールのやりとりをしています。ただ私がAさんに聞きたい話題は電話やメールでは避けた方が無難な内容。

 カリスマ教授の前途を潰す訳にはいきませんから(笑)、日本に来たときにゆっくり質問しようと思っているうちにお互い忙しくなってメールの往来が途絶えがちになり、なったと思ったら親父さんから
「息子が東京に行くから」と連絡がありました。

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 それから数カ月たって、

「あれから音沙汰がありませんね」

 と恩師と話していた矢先に当のAさんから恩師に電話があり、

「明日の午後に何とか時間がとれるので、ぜひ御家人さんと一緒に」

 と言ってきたのが昨日。何でも日本の大学での出張講義や会議で中国-東京間を2往復するスケジュールの2往復目だそうです。うーんカリスマはさすがに多忙。

 でも私にとっては願ったりかなったりのタイミングで、ぴったりの人物が飛び込んで来てくれたといったところです。隔意なく話してくれる相手なので、メールや電話では聞けない話をごっそり取材させてもらおうと思ったのですが……。

 そうです。そこで青空が恨めしいという話に落ちます。仕事です。外出不可です。Aさんと会える筈の今日がよりによってヤマ場の一直配置。そうでなければそろそろ身支度を整える時間なんですけどねえ。

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 という訳で、千載一遇の好機を逃す無念さをこらえつつ、いまこれを書いています。あと2時間くらいでFedExが届くまでの待ち時間です。……日曜日ですから楊枝削りでもさせて下さい。m(__)m

 まずは先日のインドネシア独立の話に関するものを2点。


ムルデカ 17805 スペシャル・エディション

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インドネシアの人々が証言する日本軍政の真実 (シリーズ日本人の誇り)
桜の花出版編集部
桜の花出版

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 ●映画「ムルデカ 17805」のウェブサイト
 http://www.nipponkaigi-tokyo.com/merdeka/home.html


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 それからオンガクはこちら。私は今年も「いきものがかり」で年末進行に挑むことになりました。最近CMにも登場していて嬉しいです。その最新シングル。

茜色の約束
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 ▲「茜色の約束」「心一つあるがまま」「月夜恋風」の3曲とも流していて仕事の邪魔にならない&でもちょっと沁みる感じの楽曲です。インディーズ時代の荒削りな部分からいいものだけを残しつつ、スマートに成長している様子がうかがえるのでオサーンは喜んでいます。最近の私はこの3曲に、

桜咲く街物語
いきものがかり,江口亮,田中ユウスケ,島田昌典,湯浅篤,WESTFIELD,亀田誠治,山下穂尊,水野良樹
ERJ

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 ▲このファーストアルバムから「コイスルオトメ」と「ホットミルク」、それから……、

夏空グラフィティ/青春ライン
いきものがかり,江口亮,湯浅篤,水野良樹,山下穂尊
エピックレコードジャパン

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 ▲今年の夏に出たこのシングルが収録していた「蒼い舟」の6曲をぐるぐるさせています。来年の全国ツアーには行きたいです。まだ元気であれば。


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戸川純 TWIN VERY BEST COLLECTION
戸川純,ヤプーズ,ゲルニカ,戸川純とヤプーズ,戸川純ユニット,泉水敏郎 featuring 戸川純
インペリアルレコード

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 ▲これは余興。本当はこれを聴きつつ、3曲に1回の割合でやはり収録曲である
「吹けば飛ぶよな男だが」が流れるようにもしていました。ところが戸川純には寛容な筈の配偶者から「仏臭い」「読経しているみたいで嫌だ」という趣旨の苦情が出たのでこちらは早朝限定に。

「底辺の者よ 労働者諸君よ 忘れまじや若き日に抱きし大志をば」

 という歌詞と、確かに仏臭い(笑)陰気な旋律が年末進行で「無間道」状態の私にはしっくりくるんですけどねえ。

 くーっ、やっぱり残念です。Aさんから色々な「ここだけの話」を聴きたかったのにっ。




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