日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





【シリーズ:反日騒動2005(11)】
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 続報です。

 何の続報かと問われても正確に答えられず窮してしまうのですが、日貨排斥事件(まだ運動という広がりは持っていない)、それから国連安保理常任理事国に日本が入ることに反対する署名運動(こちらは正真正銘の「運動」です)、まあそういったことに関する最新の動きです。

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 まずは前回にも紹介しました一昨日(31日)の外交部報道官会見、

 ●日貨排斥事件に外交部「経済貿易問題を政治化することは望まない」
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-03/31/content_2769866.htm

 この会見では日本関連以外の質疑応答もあり、記事はそれも含めたものとなっていますので長文になっています。で、その中から日貨排斥などに関する部分だけ抽出したディレクターズ・カット版とも言うべきものが出ました。

 ●中国外交部報道官「中日間の経済貿易問題の政治化は望まない」
 http://news.sohu.com/20050401/n224964208.shtml

 大手ポータル「捜狐」(SOHU)が掲載していますが元ネタは御存知『中国青年報』(2005/04/01)、胡錦涛の広報紙ですね。要するに長々とした会見からキモの部分だけをまとめて、「日貨排斥は好ましくない」という胡錦涛政権の立場を強調し、過激な動きに対し改めてクギを刺した格好です。

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 前回お伝えしたように3月31日時点の「新華網」には全然クギが刺さっていませんでしたが(笑)、翌日(2005/04/01)にも次のような記事が出ました。

 ●日本の歴史歪曲に抗議、鄭州の携帯販売店が日本製品を撤去
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-04/01/content_2773156.htm

 日貨排斥事件の対象が携帯電話にも及んだということです。河南省・鄭州市の「八方通訊」、これは地元の大手携帯ショップのようですが、日本の「歴史歪曲」「侵略行為の美化」などに対する抗議として、同社がショッピングセンターから日本製の携帯電話を全て撤去すると宣言、4月1日には大規模な抗議署名活動を行うと発表しました。

 日本製携帯3モデルのPOPとサンプルはもう撤去されており、在庫品200台余りは封印。日本製携帯を扱う他の小売店にもこのことを通告したとのことで、インターネット上では1000名近いネットユーザーがこの行動に声援を送り、また署名活動への参加を誓ったそうです。

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 同じく「新華網」、アサヒビールの発表した声明が出ていました。

 ●アサヒビールは日本の改竄教科書に資金援助していないと主張
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-04/01/content_2774649.htm

 日本語に訳してしまうと何でもないのですが、原文だと「嘘つけこの野郎」といった影の声が聞こえてきそうなニュアンスのタイトルです。

 声明そのものについては前回ちょっと引用したのと同じもののようです。ただこの記事の末尾には、

「改竄教科書に資金援助していると報じられている企業」

 との見出しがついて、アサヒビール、三菱重工、いすゞ自動車、住友生命、味の素、清水建設、中外製薬、東京三菱銀行、大成建設の10社の名前が改めて記されています。あたかもアサヒビールを除く残り9社全てにも声明を出させようと言わんばかりの勢いです。同時に日貨排斥のターゲットを明示しているかのようでもあります。

 やっぱりあまりクギが刺さっていないような印象です(笑)。

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 一方の署名運動、こちらは全国的な広がりをみせています。ここ数日の記事を拾ってみますと(カッコ内は主催者)、

 ●北京(中央財経大学)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-03/31/content_2765804.htm

 ●北京(中国民間保釣聯合会、愛国者同盟網、反日貨聯盟網など)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2005-03/31/content_2770314.htm

 ●湖南省・長沙(湖南農業大学)
 http://news.sina.com.cn/c/2005-04-01/03136254793.shtml

 ●黒龍江省・ハルピン(ハルピン工業大学・黒龍江大学)
 http://news.sina.com.cn/c/2005-04-01/03506254841.shtml 

 ●河南省・鄭州(河南省広播電視大学、中州大学、河南農業大学が各自実施)
 http://news.sina.com.cn/c/2005-03-31/05595511391s.shtml

 ●貴州省・貴陽(市民組織、詳細不明)
 http://news.sina.com.cn/o/2005-03-31/09585515075s.shtml

 ●広東省・汕頭(主催者不明、市民・学生らが参加)
 http://news.sina.com.cn/c/2005-03-31/16045518848s.shtml

 ……と、東西南北あまねく展開されているような具合です。参加者はいずれも数千から数万人とのこと。

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 日貨排斥はともかく、署名運動はかなり盛り上がっているようです。近年まれにみる勢い、といってもいいでしょう。

 ベクトルと言いますか、一方向にこれだけパワフルなエネルギーが集束されることに、胡錦涛政権ないし党中央はある種の怖さを感じていると思います。矢印の向きが変わったらどうなるかわかりませんからねえ。そろそろそれを狙って暗躍する向きも出てきているかも知れません。清明節も間近に迫ったことですし。

 何はともあれ、中国在住の日本人の皆さんは万一を考えて身辺にはどうかお気を付け下さい(気をつけろと言われても……というのは承知しておりますが)。

 外務省も一体何をしているのか、そろそろ署名運動に的を絞った危険情報を出して然るべきではないでしょうか。それは中国に滞在する日本人を保護するためでもあり、同時に「なんちゃって民間運動」にブレーキをかける政治的圧力たり得るとも思うのです(胡錦涛政権もクールダウンを企図しているようですし)。

 そりゃあ狂犬病に注意するのも大事でしょうけど、どう考えても頭に血がのぼった愚民共(民度は犬並み?)の方が遥かに危険ではないでしょうか。


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 【関連記事】ここまでの流れを把握したい方は御参照下さい(余り役に立たないかも知れませんけど)。

  新華社が糞青になっちゃいました。(2005/03/29)
  いまさら手遅れでは?(2005/03/30)
  日本製品の販売拒否、ビール以外にも拡大。(2005/03/31)
  日貨排斥で綱引き?糞青に「心の準備」を促す記事も。(2005/04/01)


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 【追記】
携帯電話の件は日本でも時事通信が報じていました。「NEC、松下電器産業、三菱電機3社の合わせて約200台を店頭から撤去した」とあります。(2005/04/02/09:06)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050401-00000340-jij-biz



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