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素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)
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抵抗勢力?
中国観察
/
2004-10-23 12:21:50
ちょっと気になる動きが出てきました。
いつごろからかといえば、先のプーチン訪中で行われた中ロ国境線確定について、
「政府は石油欲しさに領土問題で大幅に譲歩した」
という噂(外電)が中国国内に流れ始めたころからです(※1)。そのあと日本側から仕掛ける形になった東シナ海ガス田紛争があり、それに続いて靖国問題(中国の内政干渉)がありました。このため日中両国が角を突き合わせた格好になったのですが、その機会を捉えたともいうべきタイミングで、胡錦涛総書記の足を引っ張るかのような事象が現出してきたように思えるのです。
要するに権力闘争のようなものです。で、権力闘争にはつきものである陣取り合戦(メディア争奪戦)が始まったのかな……という気にさせられる出来事がいくつか起きています。
時系列順に並べてみましょう(以前紹介した記事もあります)。
●日本人団体旅行客の買春、中国当局が仲介の2人を起訴(読売新聞/10月15日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041015-00000113-yom-int
この記事によれば、こういうケースで起訴までいくのは珍しいとのこと。舞台が江沢民の牙城である上海だけに、色々と憶測してしまいます。ただし、国内メディアには全く取り上げられていません。
そういえば、この記事と同じころに保護指定の骨董品を持ち出そうとした容疑で日本人2名が税関で逮捕され、裁判が開かれた、というニュースもありましたね。
●文化財密輸容疑で逮捕の日本人2名に判決
http://www.people.com.cn/GB/shehui/1061/2921441.html
ひとりが無期懲役、もうひとりが懲役5年&罰金50万元だそうです。これは中国国内で記事になりましたが、特に騒がれることもありませんでした。
●泥酔して屋根に登った日本人観光客、善意の中国人は蹴り落とされ死亡
http://news.sohu.com/20041019/n222558502.shtml
これも中国国内で報道されましたが、ことさらに特集を組まれたりする(江沢民時代ならやっていた)こともなく、他の国内犯罪事件と同じようなボリュームで、淡々と紹介されています。
あとこの時期で思い当たることとしては、中ロ国境線確定における中国側大幅譲歩というニュース、これが胡錦涛政権を面白く思わない筋から海外メディアにリークされた可能性がない訳ではない、ということです。ただし中ロ国境線確定作業は以前から行われていて、江沢民の総書記時代にも随分譲歩したと言われています。つまりこの件では江沢民もスネに傷を持つ身、ということになるようです。
では次の記事。
●新たな日貨排斥運動、今度は深セン地下鉄のプリペイドカード
http://tw.news.yahoo.com/041020/43/1310t.html
そうなんです。またぞろ反日運動をやろうとしている連中が出てきました。深センに地下鉄が通るらしいのですが、その乗車券となるプリペイドカードが日本製(この記事によればソニー)になるということで、抗議しているんだそうです。
問題はその顔ぶれです。「反日貨聯盟網」という民間反日サイトの連中なのですが、このサイト、8月末に反日サイトの総本山である「愛国者同盟網」が閉鎖された際に、累が及んで一定期間の論壇封鎖処分を喰らった3サイトのうちのひとつです。前にも書きましたが、私は政府によるこの一連の措置は江沢民ないし上海閥の手足である「反日紅衛兵」を殲滅するため(だから他の過激なサイトは全てお咎めなし)、つまり権力闘争の一環だとみていましたから、その一派がまた動き出したことにまず注目しています。反日運動にせよ何にせよ、民間組織の活動は強力な後ろ盾がなければできないものです。「反日」に統制が敷かれている現在はなおさらです。それだけに権力闘争のニオイを感じます。
だいたい、胡錦涛は幹部の腐敗撲滅を呼号しながら、民間の汚職摘発サイトを見つけ次第封鎖させるなど、あくまでも中央統制で、民間の先走りを許さない姿勢でいます。反日運動は外交に影響しますから、いよいよ座視できないでしょう。
そういえば、胡錦涛政権が「反日」的な報道やネット上での言論に規制をかけている――というのは『読売新聞』の正式な取材によるものですが、これを香港紙や反政府系ニュースサイトが要点をかいつまんで報じたものも中国国内のネット(論壇)に入ってきていましたね。そのあたりを境に、ネット世論が胡錦涛政権に対してやや硬化してきている観があります。これが本当に計略だったのなら、目的は達成されたとみるべきでしょう。
最後にもうひとつ。
●「中国人お断り」で市民に波紋――広州の喫茶店
http://news.sohu.com/20041022/n222628544.shtml
タイトル通りの内容なのですが、広州のある日本風喫茶店に入ろうとした市民が、「日本人専用」ということを理由に入店を断られた、というものです。喫茶店側は「ここは日本企業の一部(社員食堂のように)だから部外者は利用できない」と主張していますが、さてどうなるか。『南方都市報』が伝えたこのニュース、私が把握している限りでは大手ポータルサイトのtom.comとsohu.comに転載されていますが、新華網や人民網(人民日報)には載っていません。
昨年末ぐらいに反日気運が高まった際、上海の「中国人お断り」というナイトクラブやバーがマスコミやネット世論から槍玉に上げられ、吊るし上げられていたのを思い出します。
とにかく最近は毎日のように反日キャンペーンのネタになり得る記事が出ている訳で、キャンペーンを張って政権に揺さぶりをかけたい勢力と胡錦涛ら現指導部による駆け引きが水面下で展開されている、という印象です。
で、もうおわかりでしょうが、冒頭に書いた陣取り合戦(メディア争奪戦)というのは、こういうニュースを転載させるさせないで綱引きが行われているという意味です。
胡錦涛政権、各方面で江沢民時代とは違った自分の色というべきものを出し始めているのですが、まだ磐石だ安泰だと胸を張れるところまではいっていないようです。
――――
【※1】16日の「『日本人集団買春+ボルシチコンボ』に政争の香り?」参照。そういえば中国当局は、未だに確定後の中ロ国境線がどうなっているのか公表していません。
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