ゴエモンのつぶやき

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ロンドン・パラリンピック開幕

2012年08月31日 01時03分30秒 | 障害者の自立
障害者スポーツ発祥の地、ロンドンで行われる第十四回夏季パラリンピックの開会式が二十九日夜(日本時間三十日朝)、五輪スタジアムで華やかに催され、十二日間の大会が開幕した。 

 史上最多となった出場百六十四の国と地域が、アルファベット順に入場行進した。日本選手団は選手と役員計百八十六人が七十七番目に登場した。先頭は旗手で全盲の競泳木村敬一(21)。同じ競泳の山田拓朗のガイドで日の丸の旗を掲げて行進し、続いて選手団は小旗を振って観客にアピールした。日本選手団は全百三十四選手で二十競技のうち十七競技に出場する。

 式典にはエリザベス女王が出席。筋萎縮性側索硬化症(ALS)で車いすの理論物理学者スティーブン・ホーキング博士も登場し、宇宙の起源などを解説した。六百人の障害者ボランティアによるダンスや車いすの空中ショーなどで盛り上げた。

 聖火は前日、大会発祥の地とされるストーク・マンデビル病院を出発していた。最終点火者は、一九六〇年ローマ大会の女子アーチェリーで英国初のパラリンピック金メダリストとなったマーガレット・モーハンさん(83)が務めた。

 国際パラリンピック委員会(IPC)のフィリップ・クレーバン会長は、選手に向けて「あなたたちはメダルを獲得する可能性があるだけではなく、世界を変える力も持っている」と呼び掛けた。


ロンドン・パラリンピックの開会式で、日の丸を振りながら入場行進する日本選手団=29日、五輪スタジアムで

◆全盲スイマー 先輩追い成長

 【ロンドン=河北彬光】四年前はあどけなかった青年が、入場行進で先頭を歩き、八万人のスタジアムに高々と日の丸を掲げた。ロンドン・パラリンピックの開会式で、日本選手団の旗手を務めた全盲のスイマー木村敬一(21)=東京都世田谷区。パラリンピックで日本人最多の二十一個のメダルを獲得してきた同じ全盲スイマーの先輩、河合純一(37)=浜松市=の背中を追い、大役を任されるまでに成長した。

 十七歳で初めて臨んだ北京大会は五種目に出場し、100メートルの自由形と平泳ぎで五位。経験したことのない大歓声に圧倒されて終わった。

 先天性の病気で二歳で失明し、十歳で水泳を始めた。目が見えないと初めはまっすぐ泳げない。コースロープに体をぶつけ、手や腕は擦り傷だらけになった。

 同じ筑波大付属視覚特別支援学校(東京)出身の河合は、幼いころからの憧れ。過去五大会で獲得した金メダルは五個に上る。「本番に必ずピークを合わせる。怪物のような大先輩」。大会や強化合宿で一緒に泳ぎ、レベルの高さを肌で感じた。

 進学した日大では水泳サークルに所属し、自分よりずっと速い健常者の仲間たちと競い合ってきた。ここ数年、大会で優勝を重ね、得意の50メートル自由形は世界ランクで日本人最高の二位。河合から「僕がいつ引退しても大丈夫」といわれるまでになった。

 五月にはパラリンピック競泳チームのゴーグルを提供してもらうため河合と東京都内の企業を回り、一緒に頭を下げた。障害者スポーツの環境改善にも取り組む先輩の姿に、障害者スポーツ界のために尽くす大切さを知った。

 再び迎えた大舞台。「この四年、すべてが成長できた。何としてもメダルを持って帰る」。日本の顔としてチームを引っ張る覚悟に迷いはない。


旗手を務める木村敬一

2東京新聞-012年8月30日 夕刊


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