ゴエモンのつぶやき

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パラリンピック:日本の視覚障害者ら20人、開会式堪能

2012年08月31日 00時55分41秒 | 障害者の自立
 【ロンドン和田浩幸】14回目を迎えた夏季パラリンピックが、障害者20+件スポーツ発祥の地・英国で開幕した。メーン会場の五輪スタジアムで29日午後(日本時間30日午前)に行われた開会式には、日本からの視覚障害者ツアー客も駆け付けた。五輪と並ぶ4年に1度の祭典はさまざまな演出で彩られたが、ツアー客らは耳で楽しみ、肌に伝わる振動に酔いしれた。

 東京の旅行会社「クラブツーリズム」が主催し、全盲と弱視、同伴者の計20人が参加。入場行進で日本選手団が登場すると、日の丸の鉢巻きをした参加者らは客席から立ち上がって声援を送った。国立民族学博物館(大阪府吹田市)准教授で全盲の広瀬浩二郎さん(44)は「国ごとに観客の反応が異なり、違いを聞き比べていた。スタジアムを埋め尽くした観客の声援が振動となって体に伝わり迫力満点だった」と興奮気味に語った。

 広瀬さんは1歳半で弱視となり、13歳で光を失った。それでも、スポーツが好きで年に数回、野球観戦に出掛ける。バックネット裏に座り、投球がキャッチャーミットに収まる音を聞いて直球か変化球かを判断し、楽しむという。

 視覚障害者サッカー(ブラインドサッカー)の普及活動も進める広瀬さん。今大会、日本は、この競技は出場できなかったが、他競技を観戦する予定で「目が見えなくても、耳で聞き、声を出して応援すれば十分に楽しめる。視覚障害者の楽しみ方があることを多くの人に知ってほしい」と話す。

 今回のツアーのもう一つの目的は「日本盲人の父」と言われる好本督(よしもとただす)さんの足跡をたどることだ。

 弱視だった好本さんは1900年に渡英し、オックスフォード大に留学。点字図書館や盲学校を視察し、帰国後は点字の普及に尽力。大阪毎日新聞(現毎日新聞)に「点字毎日」の創刊を呼び掛け、同紙は今年、創刊90年を迎えた。

 ツアーに参加した日本視覚障害者柔道連盟の前会長、笹川吉彦さん(78)は「パラリンピック発祥の地であり、好本さんが盲人福祉を学んだ英国に大会が戻ってきたことは非常に感慨深い。スポーツは障害者に自信を与えてくれるので、大会を通じて多くの障害者が興味を持ってくれたら」と話した。

毎日新聞 2012年08月30日 12時11分(最終更新 08月30日 12時26分)


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