7日(日本時間8日)開幕のリオデジャネイロ・パラリンピック視覚障害者柔道男子100キロ超級に、兵庫県南あわじ市出身の正木健人選手(29)=エイベックス=が出場し、前回ロンドン大会に続く2連覇を目指す。全階級でメダルを獲得したリオ五輪での日本男子柔道勢の活躍を励みに、障害者スポーツの裾野を広げるためにも「勝たないと意味がない」と宣言。王者が2度目の大舞台に挑む。
正木選手は南あわじ市の南淡中学校、育英高校(神戸市)で全国レベルの成績を残し、先天性弱視のため、視覚障害者柔道の道に進んだ。4年前のロンドン大会で日本柔道唯一の金メダルを獲得し、「柔道に対する意識、勝つことへの執念が強くなった」と話す。
競技に専念できる環境に感謝し、メダルが期待される柔道での活躍が障害者スポーツ全体の発展につながる-。そう考えるからこそ、「結果がすべて。勝たないと何も得られない」と言い切る。
稽古を重ねる一方、食事にも気を配るようになった。疲労回復に効く高タンパク、低カロリーの料理を中心に、油物は控え、白米の代わりに十六穀米を食べる。メンタルコントロールも取り入れ、心身ともに成長を遂げたという。
「パラ4連覇」という大きな夢を掲げ、4年後の東京にも視線を向ける。「東京大会を盛り上げ、スポーツで生きがいを見つけられる社会づくりに貢献したい」。競技は10日(日本時間10~11日)。慢心することなく、畳の上で進化した姿を見せるつもりだ。
正木健人(まさき・けんと)1987年、旧南淡町(現南あわじ市)生まれ。北阿万小学校時代に相撲の兵庫県大会で優勝。柔道を始めた南淡中学校で全国中学校大会2位、育英高校では全国高校総体3位と活躍し、天理大学へ進んだ。徳島県立盲学校で視覚障害者柔道に転じ、男子100キロ超級で2011年の世界大会と12年のロンドン・パラリンピックを制した。190センチ、150キロ。
母校・天理大学で稽古に励んできた正木健人選手。「パラ4連覇」に向け、勝ち続けるつもりだ
2016/9/7 神戸新聞NEXT
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