ロンドン照準実力者ぞろい 向上心高く進んで練習
国内トップクラスの障害者アスリートを数多く輩出し、知的障害者のスポーツ界でその名を知られる陸上クラブが金沢市にある。市営陸上競技場を拠点に活動を続ける「春風(しゅんぷう)クラブ」。国際大会の日本初メダリストも所属する。選手らはロンドンパラリンピックに照準を合わせ、トラックを駆け巡っている。 (報道部・佐藤航)
午後六時を少し回った陸上競技場。日が沈んですっかり暗くなったところに、青色のウインドブレーカー姿の男女が集まってくる。照明がともると、おもむろにトラックを走りだす。誰に促されることもなく自ら進んでジョギングを始める。
「強制しているわけじゃない。それでもみんな集まってくるのは、やっぱり走るのが好きなんだと思いますよ」。気持ちよさそうな走りを眺めながら、クラブの代表監督を務める井上明浩さん(47)が話す。
クラブには現在、知的障害者を中心に四十五人が所属している。ほとんどが長距離選手で、残るメンバーが短距離などに取り組む。知的障害者による今夏の日本選手権では、千六百メートルリレーで十二度目の優勝を達成。国際大会でも上位入賞を重ねる。
クラブは十七年前、県立明和養護学校(金沢市)で陸上部顧問だった井上さんが、教え子数人と設立した。井上さん自身も二百、四百メートルなどで全日本実業団に出場したアスリート。当時は知的障害者が陸上を続けられる場所はほとんどなく、卒業した生徒の受け皿にと考えた。
以来、同校陸上部OBを中心にメンバーは増えた。今では聴覚・身体障害の選手も加わり、年齢も十代から中高年と幅広い。
各選手の向上心は総じて高い。クラブ最古参の安藤金三郎さん(38)は十六日のマラソン大会に向け、五月から十月にかけて一日三十キロを走り込んだ。
「みんな一つの事に集中する力にたけている。彼らには努力の積み重ねが必要な陸上が向いている」。井上さんはそう説明する。
選手たちが次の目標とするロンドンパラリンピックでは、知的障害者部門が設けられる見込みだ。クラブには、一九九九年の世界知的障害者陸上競技選手権で日本勢初のメダリストとなった原田歩さん(30)ら、長短距離の実力者がそろう。世界への躍進を目指し、力強い足取りで走り続ける。
国内トップクラスの障害者アスリートを数多く輩出し、知的障害者のスポーツ界でその名を知られる陸上クラブが金沢市にある。市営陸上競技場を拠点に活動を続ける「春風(しゅんぷう)クラブ」。国際大会の日本初メダリストも所属する。選手らはロンドンパラリンピックに照準を合わせ、トラックを駆け巡っている。 (報道部・佐藤航)
午後六時を少し回った陸上競技場。日が沈んですっかり暗くなったところに、青色のウインドブレーカー姿の男女が集まってくる。照明がともると、おもむろにトラックを走りだす。誰に促されることもなく自ら進んでジョギングを始める。
「強制しているわけじゃない。それでもみんな集まってくるのは、やっぱり走るのが好きなんだと思いますよ」。気持ちよさそうな走りを眺めながら、クラブの代表監督を務める井上明浩さん(47)が話す。
クラブには現在、知的障害者を中心に四十五人が所属している。ほとんどが長距離選手で、残るメンバーが短距離などに取り組む。知的障害者による今夏の日本選手権では、千六百メートルリレーで十二度目の優勝を達成。国際大会でも上位入賞を重ねる。
クラブは十七年前、県立明和養護学校(金沢市)で陸上部顧問だった井上さんが、教え子数人と設立した。井上さん自身も二百、四百メートルなどで全日本実業団に出場したアスリート。当時は知的障害者が陸上を続けられる場所はほとんどなく、卒業した生徒の受け皿にと考えた。
以来、同校陸上部OBを中心にメンバーは増えた。今では聴覚・身体障害の選手も加わり、年齢も十代から中高年と幅広い。
各選手の向上心は総じて高い。クラブ最古参の安藤金三郎さん(38)は十六日のマラソン大会に向け、五月から十月にかけて一日三十キロを走り込んだ。
「みんな一つの事に集中する力にたけている。彼らには努力の積み重ねが必要な陸上が向いている」。井上さんはそう説明する。
選手たちが次の目標とするロンドンパラリンピックでは、知的障害者部門が設けられる見込みだ。クラブには、一九九九年の世界知的障害者陸上競技選手権で日本勢初のメダリストとなった原田歩さん(30)ら、長短距離の実力者がそろう。世界への躍進を目指し、力強い足取りで走り続ける。
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