職員が利用者の体触る ２人を懲戒解雇－－綾瀬の知的障害者施設 ／神奈川

　綾瀬市吉岡の社会福祉法人「唐池学園」（鶴飼一晴理事長）は１９日、市内で運営する知的障害者支援施設「貴志園」で、男性非常勤職員２人が、女性利用者１人に体を触るわいせつ行為をしていたと発表した。特別指導監査などを実施していた県は同日、鶴飼理事長らに３０日以内の改善報告を指導した。

　鶴飼理事長によると３月２５日、被害女性から施設側に対し、被害の相談があった。内部調査の結果、いずれも６０代で７年間勤務している警備担当者と、４年間勤めている清掃担当者が、わいせつ行為を認めたという。警備担当者は約１年半前から勤務中に、清掃担当者は２月ごろから施設内外でわいせつ行為をしていたという。

　女性は今のところ刑事告訴は予定していないという。同法人は２人を懲戒解雇としている。鶴飼理事長は１９日の記者会見で「社会的弱者を支援する施設で社会的責任を裏切ってしまったことを、深くおわびします」と陳謝した。【長真一】

　◇２月にも厚木の施設で、元当直員が性的暴行
　障害者施設の職員による利用者へのわいせつ行為を巡っては、２月にも県内で同様の事件が発覚した。

　厚木市の社会福祉法人「紅梅会」運営のグループホームで、元当直員、加茂昭雄被告（６８）＝海老名市＝が知的障害のある元入居者の２０代女性に対し性的暴行を加えたとして、厚木署に準強姦（ごうかん）容疑で逮捕された。現在は横浜地裁小田原支部で公判中。

　同市内の福祉オンブズマンなどが、同法人運営の授産施設通所者らに聞き取り調査をしたところ、０５年以降、女性通所者ら計１０人が加茂被告と元非常勤職員の男２人からわいせつ行為を受けていたことも判明した。県は５月、同法人に対し、障害者自立支援法に基づき新規利用者の受け入れ停止処分とした。