筑豊地区の在住者を中心に視覚障害者と健常者が一緒に山登りをする「やまぼうしの会」の今年最初の山登りが17日あった。行橋市とみやこ町にまたがる御所ケ岳(約247メートル)で自然とのふれ合いを楽しんだ。会は今年発足から20年を迎え、記念の写真集の制作も計画。新たなメンバーも募っている。
同会は、直方市の点訳サークルとの交流会で、視覚障害者から「山登りがしたい」という声が上がり、1999年6月に発足した。この日は4人の視覚障害者を含む計17人が参加した。
ふもとにある住吉神社(行橋市)で安全祈願をしたあと、山の北側の登山口から入山。視覚障害者たちは健常者に手を引かれながら、鳥の鳴き声や沢を流れる水のせせらぎ、植物が風に揺れる音を楽しんだ。
福智町の那須道子さん(77)は「自然を楽しみながら長生きできそう」。直方市の高松久さん(63)は「外出することがないので登山の日が楽しみ」。北九州市の吉永臣一(しんいち)さん(64)「子どものころに父とよく行った山に入れるのがうれしい」。宮若市の楠原宏和さん(59)は「ボランティアの方々のおかげ。感謝しています」と話していた。
会では山登りに参加したい障害者や、ボランティアの健常者を募っている。ホームページ(http://yamaboushinokai.sakura.ne.jp/)の問い合わせフォームから連絡を。
今年の活動を開始した「やまぼうしの会」のメンバー
2019年3月18日 朝日新聞