ゴエモンのつぶやき

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医療費削減で切り捨ても、隠れた難病リウマチ患者

2015年09月04日 02時21分55秒 | 障害者の自立

民間基金を設立し、患者と製薬会社両方が受益できる仕組み作りを

 経済の再生と財政の健全化を目指す政府の骨太方針では、高齢化に伴い1年ごとに1兆円ずつ増えると言われる社会保障費の伸びを、3年間で約1.5兆円に抑える目安を示した。その実現にはサービス縮小などの見直しが避けられないと言われている。

 しかし費用の抑制が本当に経済の再生につながるのだろうか。確かに、一般会計予算の3分の1を占める社会保障費にメスを入れることは免れない。長期的な視点に立てば、高所得高齢者の負担金増やジェネリック導入率の上昇、混合診療への規制緩和などにより、このコストを低減する必要がある。

 しかしその政策が功を奏し、経済の再生へとつながるためには数年、場合により10年単位の時間が必要になる。

 さらに、コスト削減のみに注目している現在の方針で一番懸念される問題は、治療や患者の背景を考慮せず画一的な削減が行われる可能性である。例えば生産年齢にある人々のQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)を改善し、長期的な費用をも抑制し得るような治療すら切り捨てられるのではないか。

 その代表的なものが、関節リウマチと分子標的薬の問題だ。

関節リウマチとは

 関節リウマチは、全人口の0.5~1%を占める、頻度の高い疾患だ。20~60代の働き盛りに多く発症し、女性が約3分の2を占める。不十分な治療は関節の障害を来し、身体機能を著しく損なう。

 それだけでなく、慢性的に炎症が続くことで心筋梗塞などのリスクを上げ、生命予後にもかかわることが知られている。2009年の米国の研究では*1、関節リウマチ患者は2型糖尿病患者と同程度の心血管疾患リスク(オッズ比1.2~5倍)を有するという結果が示されている。

 15年前までは、関節リウマチ患者はたとえ治療を受けていても、発症10年で5%が臥床患者、80%が何らかの障害を有し、15%のみが健常人と同じ生活ができると言われてきた。

 しかし、関節リウマチの治療はこの15年間で劇的に変化した。そのきっかけは1999年に認可されたメソトレキセート(MTX)という免疫抑制剤、および2003年に認可された分子標的薬、レミケードR (成分名:インフリキシマブ;田辺三菱製薬)だ。

 現在では関節リウマチ患者の約7割以上がMTXを内服し、20%が分子標的薬を使用している。その結果、今や関節リウマチは、5-7割に寛解が得られ、早期治療により70%に10年以上の身体機能改善を認める疾患となった。

 つまりMTXおよび分子標的薬は、身体障害者の数を減らし、生産人口のQOLを改善するという、社会的な貢献度も非常に大きな薬なのである。

薬価の壁

 「初めてこの薬を使った時、悔し泣きしました。あと10年早くこの薬が出ていれば、私も今頃普通に歩けていたのに・・・」

 15年来関節リウマチに苦しんでいたある50代の女性患者が寛解を得た時の言葉だ。残念ながら導入時には手足の変形が進み、車椅子生活となっていた。発症前はゴルフの大好きなキャリアウーマンだったという。

 しかし皮肉なことに、彼女がこの薬を使えた1つの理由に、身体障害者手帳1級を持ち、治療費が無料だったということがある。

 現在20%ほどのシェアを持つ分子標的薬であるが、実際には対象となる患者はもっと多く、おそらく関節リウマチ患者の3~4割はいるのではないかと言われている。その治療を阻むのが、薬価の壁だ。

 分子標的薬は、医療費3割負担の場合、毎月3万~5万円の費用がかかる。2015年に高額療養費制度が見直されたが、それでも年収が約370万円以下の家庭での自己負担限度額は5万7600円。他の医療費も合わせて高額医療となったとしても、年70万円近くの出費になる。

 現在日本人の平均所得は2013年の時点で1世帯当たり530万円。約3分の1の世帯が所得300万円以下で暮らす*2。さらに、子育て世代である30~50歳の世帯では、平均借入金額も700万円を超える。このような環境で、子育て中の方、専業主婦の方が、年間30万~70万円もの医療費を払い続けるのは困難である。

 「子供の養育費のために貯金が必要なんです」と、治療を遠慮され、徐々に関節が変形していく方を私自身も診てきた経験がある。

がんよりも理解されにくいリウマチ

 関節リウマチはがんなどの消耗性の疾患と違い、家族の理解も得にくいことも多い。がんと言えば非常に重症に聞こえるが、関節リウマチというとその重症感がない。「関節が痛いだけの病気」になぜ高額の医療が必要かを理解してもらえないからだ。

 手足の小関節に強い炎症が起こると、お皿を持つ、ドアノブをひねる、物を書く、そのような動作が著しく障害され、家事やデスクワークもできないことすらある。しかし関節リウマチ患者は顔色もよく、食欲もあり、普通に歩けていることも多いため、いたって健康に見えてしまう。

 「ただでさえ『なまけ病』って言われているのに、そんな金額は夫に頼めない」。そういわれて分子標的薬をためらわれる専業主婦の方も多い。

「難病指定」では解決しない

 実は関節リウマチ以外の多くの自己免疫疾患は難病に指定されており、一定額の補助が受けられる。関節リウマチは難病指定の対象となっていない、ほぼ唯一の疾患なのである。

 原因の1つは、関節リウマチの患者数の多さだ。現在の難病の医療受給者数は約85万人だが、関節リウマチ患者数は60万人。リウマチ患者を難病に指定すれば、成人難病にかかる事業費1820億円(うち国費910億円)が単純計算でも1.5倍以上になる。我が国の財政状況を考えれば、現実的ではない選択だ。

 もちろん減額ばかりで効率化を図らない現在の骨太方針の見直しは必要だ。しかし国にぶら下がるばかりでは、これだけ多くの患者を救うことはできない。1つの解決策として考えられるのは、民間や製薬会社による基金の設立である。

製薬会社によるサポートシステム

 国に頼るだけでは疾患同士の資源の食い合いになってしまう。今後長期にわたってこのような患者を支えるには、民間主導のサポートシステムも重要だ。

 例えば、慢性骨髄性白血病(CML)という血液のがんなどの患者に対し、支援金を交付する「つばさ支援基金」という活動がある。企業や個人から寄付金を集め、CML患者に医療費助成を行っているのである。

 高額療養費が月4万4400円となる、年収370万円以下の家庭に対し、月額2万円を支給する。この基金の立ち上げ時に積極的に寄付をしたのは、グリベックという、CML治療のキードラッグを販売しているノバルティスファーマ社である。

 基金により有効な治療薬の情報が広まり、グリベックを使用する患者が増えれば、長期的には製薬会社の利益にもつながる。同じような基金をリウマチ患者に対しても設立することはできないだろうか。

患者への投資が差別化にもつながる

 現在関節リウマチに対して日本で認可が下りている分子標的薬は8種類。剤型や副作用により使い分けはあるものの、有効性についてはどの薬剤も有意差はないと言われている(表1)。

 つまり、副作用のリスクの低い患者さんに8種類のうちのどの製剤を使用するか、という選択時には、薬価という要素が無視できないのである。

 もし関節リウマチの分子標的薬に対し、製薬会社がつばさ支援基金と同じような基金を設立することができればどうだろうか。これまで治療を受けられなかった患者さんが治療を受けられるようになるだけでなく、他の薬との差別化にもつながる。製薬会社にとっても、損にはならない話である。

 特に、遅れて参入したシムジアR(成分名:セルトリズマブ;アステラス製薬/UCBジャパン)、ゼルヤンツR(トファチニブ;ファイザー/武田薬品)を販売する会社にとってはチャンスになるのではないだろうか。

  とりわけ武田薬品は230年の歴史がある日本が誇る製薬会社だ。しかし最近先日降圧剤ブロプレスRに関する誇大広告で行政指導を受け、世間ではやや逆風が吹いているとも言える。このような製薬会社にとって、リウマチ基金などによる患者への還元は、汚名を雪ぐよい機会にもなるのではないか。

骨太指針に頼らない制度の構築を

 来たる超高齢化社会に備え、増税による資金確保と医療費抑制の流れは避け難いであろう。現在の医療費削減にばかり重きを置いた骨太方針では、経済弱者を救う有効策が出ることは期待できない。

 医療の中心はあくまで患者だ。治る患者を見捨てぬためにも、限られた資源の中でより高いQOLを達成できる方法を模索し、患者の視点に立った見直しが必要である。その舵取りをする力は民間にこそあるのかもしれない。

 今現在も、医療費の壁により、治癒・寛解が可能な大勢の関節リウマチ患者が健康寿命も平均寿命も縮められている。このサイレント・マジョリティーに社会の目が向けられることを祈りたい。

2015.9.2      Bpress

 


国体・全障スポ 県選手団が結団式

2015年09月04日 02時15分44秒 | 障害者の自立

 和歌山県で9、10月に開かれる第70回国民体育大会「2015 紀の国わかやま国体」と「第15回全国障害者スポーツ大会」(全障スポ)に出場する県選手団の合同結団式が2日、佐賀市の県総合体育館であった。国体では男女総合成績の天皇杯順位20位台を目指すなど、選手たちは両大会での健闘を誓った。

 本部役員を合わせた選手団は国体387人、全障スポ36人。競技ごとに監督、選手らが紹介された。県体協会長の山口祥義知事が「勝利のため、まずは自分一人の技量を磨き、みんなで連係し、そして佐賀のために誇りを持って戦っていただきたい」と激励した。

 旗手を務める国体・ウエイトリフティング少年男子の富永聖也選手(有田工高)と全障スポ・ボウリングの石橋友之選手(鹿島福祉作業所)に知事から県旗が渡された。選手を代表し、国体・ボート少年女子の横田栞選手(唐津東高)と全障スポ・卓球の西宏晃選手(佐賀商高)が「最後の一球、最後の一矢、最後の一漕ぎの瞬間まで力の限り戦い抜きます」と誓った。

 国体はセーリングや新体操など会期前実施競技が6~13日、本大会は26日~10月6日。全障スポは10月24~26日に開かれる。

 国体は33競技に出場し、セーリング成年男子470級の吉田雄悟選手・岡田奎樹選手、自転車の成年男子スプリントの橋本瑠偉選手らに連覇が懸かる。障害者大会は6競技に出場する。

和歌山で開かれる国体と全国障害者スポーツ大会での活躍を誓った選手代表の唐津東高の横田栞(中央左)と佐賀商高の西宏晃(中央右)

2015年09月03日    佐賀新聞


小学生がパラリンピック競泳に挑戦、アスリートと交流も

2015年09月04日 02時08分41秒 | 障害者の自立

 来年のリオ・パラリンピック男子競泳日本代表の木村敬一(東京ガス)、山田拓朗(NTTドコモ)の2選手が2日、東京・江東区の豊洲西小で行われた「ジャパンパラ応援プロジェクト障がい者アスリート交流キャラバン」にゲストとして出演した。 

 同イベントは日本障がい者スポーツ協会が主催し、子どもたちに障がい者スポーツの魅力を体感してもらい、心のバリアフリーを促進するのと「IPC公認2015ジャパンパラ水泳競技大会」(5、6日 東京辰巳国際水泳場)開催の一環として行われた。

 先月、英国・グラスゴーで行われた障がい者による競泳の世界選手権で、男子100メートル平泳ぎ(視覚障害S11)で金メダルを獲得した木村選手、男子50メートル自由形(運動機能障害S9)で銀メダルを獲得した山田選手は冒頭、全校集会で子どもたちを前に自身が水泳を始めたきっかけやリオ・パラリンピックへの意気込みなどを話した。その後、5、6年生約50人を対象に模範泳法の披露や、実際にゴーグルをつけて泳ぐブラインド体験、視覚障がい者の水泳でゴールやターンを選手に合図するタッピングの体験プログラムを行った。

 木村選手は「自分は生まれつき目が見えませんでしたが、多くの良き仲間に支えられ助けられました。みんなも5年後、東京でオリンピック・パラリンピックが行われますが、いろんな人に関わってもらえたらうれしいです」と話す。一方、山田選手も「自分も生まれた時から片腕がありませんでした。でも、鉄棒も縄跳びも練習して何でもできるようになりました。練習すればできることはあります。まずはいろんなことにチャレンジしてみてください」と自身の体験を踏まえて激励した。

 イベント終了後に子どもたちからは「初めて間近で目の不自由な人が泳ぐ姿を見ましたが凄いなぁと思いました」(小6、持原ありささん)、「木村選手、山田選手の話を聞いて勇気をもらいました。これからの水泳の練習をもっと頑張ろうと思いました」(小5、後藤桜彩さん)と笑顔で話していた。

2015年9月2日     スポーツニッポン


前橋市がタクシー通院、買い物を支援 高齢者ら対象、来年1月23日から 

2015年09月04日 02時05分38秒 | 障害者の自立

 既存の公共交通機関を利用して外出するのが困難な高齢者や障害者らに、より多く外出する機会を提供しようと、前橋市は平成28年1月23日から、タクシー運賃の支援を行う。

 対象となるのは、同市に住民登録がある75歳以上の人や、65歳以上で運転免許証を持っていない人、身体障害者、妊産婦ら。乗車地、降車地のいずれかが前橋市内であれば、登録者が複数でタクシーに乗車した場合1人1乗車につき最大500円、1人でタクシーに乗車した場合は運賃の半額(上限1千円)を支援する。いずれもタクシー運賃内での支援とする。利用時間は午前7時から午後6時で、1人1日2回(年間最大120回)まで。

 支援を受けるには事前に登録申請が必要で、10月1日から受け付けを開始。申請書は同市交通政策課や市民サービスセンターなどで配布する。問い合わせは同課(電)027・898・5939。

2015.9.3     産経ニュース


2014年度決算審査で県監査委が意見書

2015年09月04日 01時58分49秒 | 障害者の自立

 佐賀県監査委員は2日、2014年度の歳入歳出決算などを審査した結果、地方自治法に違反する予算流用や補償費の積算誤りといった「重要指摘」が4件あったと報告した。池田巧代表監査委員は「組織的チェック体制が十分機能していない構造的な問題だ」とする意見書を山口祥義知事に提出した。

 予算は「款・項・目・節」の順に区分され、議決で認められた人件費を除いて「款」「項」の流用は法令で禁じられている。学校教育課は、教育総務費のスクールカウンセラー配置のための旅費10万円を、中学校費の不登校対策の非常勤職員配置の旅費に流用していた。「項間の流用が違法という認識が足りなかった」と釈明している。

 ほかの重要指摘は、知的障害者支援施設「九千部学園」が実施した外部実習訓練で、市町や利用者に対して本来より少なく給付費を請求していた。また、武雄県税事務所は国費の一時預かり金から出すべき納税者への還付金を、誤って県費の一般会計から支出し、加えてその事後処理に1年近くかかった。流通課は唐津港県営まき網市場改修工事で、入居する漁協や水産会社の事務所解体に伴う補償費を少なく積算していた。いずれも過失によるもので県への損害はない。

 審査の結果、県の財務事務の不適切な処理は前年度に比べて9件少ない212件だった。「財務会計事務を担う職員の知識不足、組織的な進行管理の不十分さ」を指摘し、責任体制の明確化や内部統制の強化を求めた。

 山口知事は「本部制を含め、全庁的にいろんな観点から組織を見直している。今回の指摘を踏まえ、改善に努めたい」と語った。

2014年度の審査意見書を山口知事(右)に提出する池田巧代表監査委員=県庁

2015年09月02日     佐賀新聞