ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

障害者を労働者として認めない制度 1

2009年03月27日 01時00分29秒 | 障害者の自立
 この文章は、私がいつも転載させて頂いているNPO法人の「札幌・障害者活動支援センターライフ」の機関誌『アドボケイト』(第104号、2009年03月10日)に掲載された文章「事務局見解・障害者自立支援法見直しでも何も変わらない就労継続支援A型」を、編集者の了解を得たので、私が改行や中見出しを変更するともに、私の感想をつけて転載したものである。この機関誌も編集委員会方式をとり、どの号も実際に働いている多くの人たちが自分たちの思いや気づきを書いている。とくに、本号では障害者自立支援法における「暫定支給決定」に関連して「労働の暫定??」という下斗米貫行さんの文章も興味深い。さらに札幌市の「障害者交通費助成制度」について交わされた議論やNHK受信料免除に関連して「書類至上主義」について書かれた文章など、制度論についても詳しく載っている。制度についての話に興味を持った人など、ぜひ一読してほしい。障害者(この機関誌では一貫して「障がい者」と表現している。私は以下も含めて「障害者」と表現する)にかかわる事柄について、意見が率直に表現されている。

■ 障害労働者は「利用者」の位置づけで変化なし
 「(就労継続支援)A型利用者(雇用有)は、労働基準法上の労働者であることから、雇用するにあたっては、労働基準関係法令を遵守すること」。この文章は、2008年7月1日、厚労省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長名によって出された文章です。この文章には矛盾を覆い隠そうとする厚労省の稚拙な意図があります。

 A型事業所に雇用された障害者が、労働基準法上の労働者であれば、「利用者」という規定は成り立たないはずです。通常の企業であれば、「利用者」という「労働者」の概念はありません。あるとすれば、業務委託契約者だったり、企業内の施設のなかで利用料を払って請負の仕事などをおこなう個人事業主等です。この場合、当然ですが「労働基準法上の労働者」ではありません。

 すなわち、就労継続支援A型事業所に働く障害労働者には、「利用者と労働者の二重仮面」をかぶせるという、労働基準法をも超越した「超法規的措置」なんだということです。この点は、「利用料の不払い」という障害者の行動によってその問題点が明らかになってきています。「措置から契約へ」を謳った社会福祉基礎構造改革、その流れに沿って出てきたと思われる「障害者自立支援法」の理念そのものに反する「超法規的措置」だと思います。

■ 障害者を労働者とみなさない中央政府に従う自治体
 そして2009年2月24日、厚労省通達にのっとり、札幌市は各障害福祉サービス事業所代表者宛てに下記のような文章を発行してきました。見出しは「就労移行支援(養成施設)及び就労継続支援A型(雇用有)に係る暫定支給決定の取り扱いについて」として、「標記の件について、共同生活援助を除く訓練等給付については、支給決定に当たり、当該サービスの利用が適当かどうかを判断するための期間として最大2カ月の暫定支給決定期間を設定し、訓練等を判断した後、本支給決定を行っております。この度、本市においては就労移行支援事業(養成施設)及び就労継続支援A型事業(雇用有)に係る支給決定については、下記のとおり暫定支給決定を経ずに本支給決定を行える取り扱いといたしますので、通知いたします」というものです。

 すなわち、厚労省や札幌市によれば、暫定支給決定期間は、A型といえども、雇用期間ではなく訓練期間という認識のようです。であれば、その期間は、雇用契約は存在しないことになり、A型(雇用有)ではなく就労移行支援(養成施設)事業になるはずです。特例としてA型(雇用有)の暫定支給期間は、移行支援事業とするのであれば、まだ納得できるのですが、一方では、ハローワーク通じて雇用契約を結び、雇用契約に基づいて障害者は労働を提供し、事業主は賃金を支払うという関係を遵守させておきながら、その期間は労働契約としては認めないと厚労省は認識しているようです。

 私たちは、使える制度を活用しながら障害のある人、ない人が共に働く場の創出を模索してきました。当然、雇用契約を結び、最低賃金や有給休暇も保障しあいながら事業を続けています。その制度の一つに、「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者雇用開発助成金)」というものがあります。それは、「高年齢者、障害者等の就職が特に困難な者をハローワーク(公共職業安定所)又は職業安定局長の定める項目に同意し、本助成金に係る取扱いを行う旨を示す標識の交付を受けている有料・無料職業紹介事業者の紹介により継続して雇用する労働者として雇い入れた事業主に対して、賃金の一部を助成するもので、これらの者の雇用機会の増大を図ることを目的としています」というものです。  つづく

原告「絶対に廃止すべき」 障害者自立支援法訴訟・第1回口頭弁論

2009年03月27日 00時56分40秒 | 障害者の自立
 障害者自立支援法によって「生存権の保障」などが侵害されたとして、県内の障害者七人が国やさいたま市などの自治体を相手取り、利用者負担の取り消しなどを求めた訴訟の第一回口頭弁論が二十五日、さいたま地裁(遠山広直裁判長)で開かれた。原告の一人、五十嵐良さん(35)=さいたま市中央区=は意見陳述で「法律ができたことで、生活が苦しくなった。両親の経済支援がないと生きていけない。利用者負担は絶対に廃止すべき」と述べた。

 障害者自立支援法は、障害者らが地域で自立して暮らしていくことなどを目的に成立。障害者らが介護などの福祉支援(福祉サービス)を利用する際、所得に応じた「応能負担」から、支援に掛かる費用の一割を負担する「応益負担」に変更された。だが、これによって障害者たちの経済的負担が増大。「障害者に対する差別で、幸福追求権や生存権を侵害している」と原告は主張している。

 原告の新井育代さん(37)=川口市=の母親たかねさん(62)は「法案採決の際、社会的に弱い立場の人たちの願いを踏みにじることが国の最高機関で平然と行われた。障害のある人の権利を守ることは、周囲の人と政治、行政にかかわる人々の責任だと思う」と陳述。原告中村英臣さん(40)=さいたま市中央区=の補佐人斉藤なを子さん(49)は「障害者政策の根本をこの裁判で正していただくことを切望します」と述べた。

 一方、被告側は訴えを棄却するよう求める書面を提出するなど、全面的に争う姿勢を示しており、今後の弁論などで立証していく方針。

 閉廷後、原告らはさいたま市浦和区の埼玉会館で支援者らと「報告集会」を開いた。その中で五十嵐さんは「自分の気持ちを伝えられて良かった。これからも頑張っていきたいので、引き続きご支援をお願いします」と話した。

 原告の弁護団によると、五月にも五人の障害者が新たに提訴、第一次訴訟の原告と合流するという。同様の訴訟は広島や福岡など全国八地裁でも提訴されており、四月には第二次提訴も予定されている。

「傍聴に配慮を」 聴覚障害者らが手話通訳で訴え

 障害のある人たちが注目する障害者自立支援法訴訟。二十五日の第一回口頭弁論を傍聴した聴覚障害者らから「裁判所は傍聴席の障害者に配慮してほしい」との声が上がった。

 川口市の佐藤彰純さん(48)もそうした一人。佐藤さんは聴覚障害があり、裁判を傍聴するためには二人の手話通訳者が必要だ。

 弁護団は口頭弁論に先立ち、さいたま地裁に「通訳者を(傍聴人としてではなく)介護人として認め、別枠を設けてほしい」などとした趣旨の意見書を提出。だが同地裁には認められなかった。

 佐藤さんは、通訳者の分も含めて三枚の傍聴券を引き当てなければならなくなった。入れるのは並んだ百三人のうち四十四人。佐藤さんは傍聴券を支援者に譲ってもらった。

 通訳者は、地裁の指示で交代で傍聴席以外のいすに座り、原告に背を向けて手話通訳。立つことも認められなかった。「立って発言者を指しながらの手話でなければ、どの人が話しているのか分からない。通訳は私の耳」と佐藤さん。同団によると、大阪地裁では別枠で二人の同通訳を認め、立つことも許可しているという。

 一方、自力で車いすを動かすことができない上尾市の女性は「介護人が法廷に入ることが認められなかった。おかしいのでは」と話していた。

和歌山市議会閉会 障害持つ母子家庭支援盛り込んだ当初予算案可決

2009年03月27日 00時55分20秒 | 障害者の自立
 母親など子供の養育者が重度障害を持つようになった母子家庭で障害基礎年金を受給すると児童扶養手当が打ち切られ、子供の養育費が減少する事態を改善するため、和歌山市は平成21年度から減額分を補う「母子家庭等福祉手当」を独自に支給することを決めた。関連費用約600万円を盛り込んだ21年度当初予算案が25日の2月定例市議会で可決された。

 支給対象となるのは、子供の養育者が事故などで障害者となり障害年金を受給するようになった母子家庭。母子家庭には子供の養育費として月額最高約4万円、年間約50万円の児童扶養手当が適用されるが、国が年金との併給を認めていないため養育者が障害年金を受給すると打ち切られる。障害年金にも養育費を考慮した加算はあるものの、児童扶養手当よりも受取額は半減するため、改善を求める声が上がっていた。

 児童扶養手当は、離婚、父親の死亡などで父親とは別生計の子供を18歳になった年度末まで養育する母子家庭が対象。市こども家庭課によると、子供1人で年収365万円未満の世帯には所得に応じ月9850~4万1720円を支給する。一方、障害基礎年金では年間の生活費のほか、障害程度2級と判断された場合は子供の養育支援のため年金支給額に年間約23万円が加算されるが、児童扶養手当と比べると約27万円の差損が発生していた。

 市は差損分を補うため、来年度から独自で設ける福祉手当の支給対象を約20世帯と見込み、関連費用を当初予算案に盛り込んでいた。厚生労働省家庭福祉課は「制度上起こりうる事態だが、自治体のこうした取り組みは聞いたことがない」としており、大橋建一市長は「制度の割れ目に落ちてしまった市民のためにできることはしていきたい」と話している。

                   ◇

 和歌山市議会の2月定例市議会は25日、総額約1300億円の一般会計予算案を盛り込んだ平成21年度当初予算案など41議案を原案通り可決。31日付で退職し、総務省に戻る金崎健太郎副市長(39)の後任に、内閣府大臣官房総務課課長補佐の畠山貴晃氏(37)を起用するなどの人事案件5件に同意、閉会した。

障害者支援施設の軽食喫茶店が人気 東温

2009年03月27日 00時53分58秒 | 障害者の自立
 東温市西岡の社会福祉法人「馴鹿(となかい)」が運営する障害福祉サービス事業所「トナカイ福祉交流館・あい」の中にある喫茶店が人気を集めている。障害者自立支援法が施行され4月で3年を迎えるが、一般就労はまだまだ困難な状況で、障害者が働く飲食店は増えつつある。
 この喫茶店は訓練期間を2年と定めて国や県などが補助する「就労移行支援」事業として2007年4月、同市樋口の愛媛大医学部前に開所した同交流館の1階にオープン。職員らが調理し、18―51歳の軽度の知的障害者11人が主に接客や皿洗いなどを担当、就労に必要な知識や技能を養っている。


識者、知事に聞く /埼玉

2009年03月27日 00時51分56秒 | 障害者の自立
 ◇公的支援が必要だ--全国視覚障害教師の会(兵庫)の山口通会長
 視覚障害がある教師は、特に中学と高校では1人で授業を担当し、授業準備を手伝う支援者も自力で探しているのが現状。新井先生のようにペアの教師と授業ができる態勢を公費で整えてもらえるのはまれだ。現状では、障害者となって休職した教師はなかなか復帰を考えられない。公的支援が必要なのは明らかだ。

 「見えない=何もできない」と見られがちだが、進歩した情報技術の助けで、できることは広がっている。困難があっても仕事を続ける姿は子供にとって生きた教材。やさしさや思いやりの心がはぐくまれ、将来壁にぶつかっても手本として思い出してくれるだろう。

 ◇県として継続支援したい--上田清司知事
 昨春、新井先生の授業を見学したが、ペアを組んだ教師とのスムーズな進行に感心した。障害を持つ教師が教えること自体が、生徒たちが障害者に対する偏見を捨てることにつながる。さまざまな工夫によって人間の可能性は限りなく広がることも、子供たちや地域の人に伝わっただろう。

 障害を補うペアの教師と教えられるようにするには、教師数を増やす必要があり、財政的負担も増す。だが、それに代わる価値は山ほどあるだろう。これだけの効果を生み出した新井先生とペアの教師の人件費については、県としても長瀞町を継続して支援したい。長瀞以外からも障害がある教師を雇用したいと要望があれば、市町村が努力することが前提ではあるが、支援したい。

 ◇正規教員数の拡大を--勝野正章・東京大大学院教育学研究科准教授(教育行政学)
 違いを認め合い共生する社会を築く上で、障害を持った教師が教育現場に入ることに賛成だ。しかし、バックアップがないためにあきらめている教師は多いだろう。支援態勢を十分に整え、「チャレンジしよう」という意欲をくじかないことが重要だ。

 加えて、周りの教師の働き方も変える必要がある。近年、教師は多忙になっており、授業準備にかけられる時間が極端に減っている。障害のある教師が働くには、同僚もゆとりを持っていられることが条件。そのためにも、正規採用の教員数を拡大する必要があるだろう。