□■謝罪会見 不正関与を否定■□
白山市の大手印刷・通販会社「ウイルコ」(東証2部上場)がダイレクトメール(DM)広告の郵送に、心身障害者団体を対象にした「低料第3種郵便物」の割引制度を悪用していた問題で、同社は7日、記者会見を開いて謝罪した。一方で「仲介した大阪の広告代理店に任せており、実態は知らない」と不正への関与を否定。しかし、制度の趣旨をゆがめる行為に県内の障害者団体からは怒りの声があがった。
◇◆障害者団体 制度廃止を懸念◆◇
若林和芳社長と大槻健専務が本社で会見した。若林社長は冒頭、「郵政事業者、制度を支える一般の方々、誤解を受けることになった障害者団体の方に心からおわびを申し上げます」と頭を下げ、謝罪文を読み上げた。
説明によると、同社は4年前に代理店から提案を受け、同制度を利用する障害者団体の定期刊行物に通販広告を付けて自社の顧客に送るようになった。代理店からは広告料の一部が団体に寄付されると説明され、「障害者福祉にもなると考えて採用した」という。
不正に送った部数の累計や正規料金との差額については「現時点で把握していない」と明言を避けた。最近は1回当たり5万~8万部の広告を同封することが多く、宅配業者などを利用する通常のDMより、手数料なども含めたコストは1部あたり10円前後安かったという。
8割以上が有償読者であることが低料第3種郵便物の承認条件だが、若林社長は「代理店からウイルコの顧客向けは全体の2割未満と説明を受けた」と強調し、不正工作への関与を否定した。
代理店の説明では定期刊行物全体の部数が数十万部に達することになる不自然さを指摘されると、「(購読)人数がたくさんいると報告を受け、信じていた。障害者の方は何百万人もいるという感覚だった」。発行に関与した団体の数や刊行物の本来の部数は把握していないとした。
大槻専務は「結果的に考えれば、代理店に任せきりにした対応は誤りだった」と不手際を認めたが、6日に改めて代理店に連絡すると「(法的に)問題ない」と繰り返されたと説明。「現時点では違法行為があったともなかったとも言えない」とし、社内に調査委員会(委員長=若林社長)を設け、結果を公表するとした。
一方、県内の身障者団体の関係者からは、制度の見直しや廃止を心配する声が相次いだ。県身体障害者団体連合会の山口和夫事務局長は「悪用したほうも問題だが、許した障害者団体側にも問題がある」と指摘。金沢市身体障害者団体連合会の西村喜博事務局長は「活用するならきちんとモラルを持ってほしい」と厳しく注文をつけた。
白山市の大手印刷・通販会社「ウイルコ」(東証2部上場)がダイレクトメール(DM)広告の郵送に、心身障害者団体を対象にした「低料第3種郵便物」の割引制度を悪用していた問題で、同社は7日、記者会見を開いて謝罪した。一方で「仲介した大阪の広告代理店に任せており、実態は知らない」と不正への関与を否定。しかし、制度の趣旨をゆがめる行為に県内の障害者団体からは怒りの声があがった。
◇◆障害者団体 制度廃止を懸念◆◇
若林和芳社長と大槻健専務が本社で会見した。若林社長は冒頭、「郵政事業者、制度を支える一般の方々、誤解を受けることになった障害者団体の方に心からおわびを申し上げます」と頭を下げ、謝罪文を読み上げた。
説明によると、同社は4年前に代理店から提案を受け、同制度を利用する障害者団体の定期刊行物に通販広告を付けて自社の顧客に送るようになった。代理店からは広告料の一部が団体に寄付されると説明され、「障害者福祉にもなると考えて採用した」という。
不正に送った部数の累計や正規料金との差額については「現時点で把握していない」と明言を避けた。最近は1回当たり5万~8万部の広告を同封することが多く、宅配業者などを利用する通常のDMより、手数料なども含めたコストは1部あたり10円前後安かったという。
8割以上が有償読者であることが低料第3種郵便物の承認条件だが、若林社長は「代理店からウイルコの顧客向けは全体の2割未満と説明を受けた」と強調し、不正工作への関与を否定した。
代理店の説明では定期刊行物全体の部数が数十万部に達することになる不自然さを指摘されると、「(購読)人数がたくさんいると報告を受け、信じていた。障害者の方は何百万人もいるという感覚だった」。発行に関与した団体の数や刊行物の本来の部数は把握していないとした。
大槻専務は「結果的に考えれば、代理店に任せきりにした対応は誤りだった」と不手際を認めたが、6日に改めて代理店に連絡すると「(法的に)問題ない」と繰り返されたと説明。「現時点では違法行為があったともなかったとも言えない」とし、社内に調査委員会(委員長=若林社長)を設け、結果を公表するとした。
一方、県内の身障者団体の関係者からは、制度の見直しや廃止を心配する声が相次いだ。県身体障害者団体連合会の山口和夫事務局長は「悪用したほうも問題だが、許した障害者団体側にも問題がある」と指摘。金沢市身体障害者団体連合会の西村喜博事務局長は「活用するならきちんとモラルを持ってほしい」と厳しく注文をつけた。