ゴエモンのつぶやき

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(上)安い報酬 「続けられぬ」

2008年02月12日 21時43分51秒 | 障害者の自立
(上)安い報酬 「続けられぬ」

重度者に長時間対応

 2006年10月に本格施行された障害者自立支援法。制度の不具合が少しずつ明らかになっており、今年は制度を見直す議論が行われる。問題が指摘されている重度障害者の支援について、現場の実態を探った。(安田武晴)

連続8時間


ヘルパーから介助を受ける大橋さん。平日に平均約6時間の「重度障害者等包括支援」を利用する ヘルパーに車いすを押してもらいながらレストランから出てきた大橋陽介さん(19)は、満足そうに笑顔をみせた。脳性まひによる四肢障害に加えて重い知的障害もあり、平日は平均で6時間、ヘルパーを頼んでいる。この日は午前10時から午後6時まで、外食や作業所での活動などを楽しんだ。

 ヘルパーを派遣したのは、埼玉県東松山市の社会福祉協議会。自立支援法によるサービスの種類は、「重度障害者等包括支援」だ。重度の人向けのサービスには、「重度訪問介護」もあり、いずれも長時間連続して支援を提供する。

 同市内に住む坂本幸恵さん(20)も、脳性まひによる四肢障害と重い知的障害がある。重度訪問介護でヘルパーに自宅に来てもらい、食事の介助などをしてもらうほか、時には美容院に連れて行ってもらう。平日の利用時間は平均7時間と長い。

大幅減収


「重度訪問介護」を利用する坂本さん 自立支援法の本格施行でサービスの体系が変わってから、同社協では軽い人を含めた障害者へのヘルパーの総派遣時間が、月平均計2410時間と大幅に増えた。以前は同1788時間だったので、1・3倍以上になった計算だ。

 だが、収入は、反対に月平均約524万円から約413万円へと激減。1時間あたりで見ると、2928円から1716円に下がった。原因は長時間連続の支援について、国が報酬単価を安く設定したことにあるという。

 例えば、重度訪問介護の場合、1時間あたりの報酬は約1700円。移動中に介護を行うと、1時間に最大で約1000円が加算される。自立支援法施行前、介護を伴う外出支援に1時間で最大約4000円の報酬が支払われたのと比べると、大きな違いだ。

 同社協の曽根直樹・総合福祉エリア施設長は、「社協の社会的使命として、不採算でもやらなければならないが、この報酬額では長くは続けられない」と話す。

研修費用

 重度者のケアは、介護や支援の難度が高く、しかも24時間、365日の対応を求められる場合もある。にもかかわらず報酬が安く、その影響が利用者に及んでいる。

 民間団体「障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動実行委員会」の昨年秋の調査によると、事業所の半数で、重度訪問介護が8割以上を占め、1時間あたりの報酬は平均2191円しかない。この結果、ヘルパーの給与が下がり、離職や求人難が常態化したため、過去3か月間に新規利用を断らざるを得なかった事業所は76%に上ったという。

 重度障害者は、介護の方法が人により大きく異なり、それぞれの障害者の介護に熟練したヘルパーが必要だ。このため、一般的に新人ヘルパーは、特定の障害者の介護に慣れるために、ベテランに同行してもらって指導を受ける。こうしたベテランの同行費用が、事業所の大きな負担になっている。国は、都道府県がこの費用を補助できるよう予算を計上したが、今のところ来年度限りの措置だ。

 大阪府堺市で障害者の地域生活を支援している「堺・自立をすすめる障害者連絡会」の木戸保光代表は、「安全な介護を安心して受けられるよう、恒常的な研修支援を含め、重度障害者の介護を行う事業所の育成に力を入れて欲しい」と国に求めている。

(2008年2月12日 読売新聞)

障害者リハビリ拠点を機能別に再編/川崎

2008年02月12日 21時36分06秒 | 障害者の自立
障害者リハビリ拠点を機能別に再編/川崎

社会 2008/02/11

 川崎市は、中原区井田3丁目の「障害者リハビリテーション福祉・医療センター」の再編整備に向けた基本計画案を示した。施設を機能別に再編するなど、2008年度以降7~8年かけて建て替えや補修を行っていく。パブリックコメント手続きを経て3月末までに基本計画を策定する。

 市健康福祉局によると、同センターは約三万平方メートルの敷地に八つの福祉施設が集積するが、最も古いもので築四十年近くが経過。中央療育棟が震度6強~7クラスの地震で倒壊する恐れがあるなど、耐震性に問題があった。

 施設の更新を機に、障害者自立支援法に基づいた総合リハビリテーションシステムを構築。入所施設を個室化し居住環境を高める。また、現状では短期入所施設が市北部に偏在しているが、同敷地内に新設してニーズに対応。障害者専用スポーツ施設も整備する。総事業費は五十億円を超える見通し。

 具体的には、現行の授産施設や療育センターなどを機能別に∇(仮称)中央リハビリテーションセンター∇重度障害者等生活施設∇(仮称)中央療育センターの三つに再編。グループホームやケアホームも新たに設ける。

 障害者の就労を促進するため日中活動支援を強化するのが特徴の一つで、施設利用定員は入所系で百六十八人程度(十六人増)にとどめているが、通所系では四十人増の二百九十五人程度としている。

 施設更新に伴い、敷地中央のグラウンドにプレハブ棟を設置するほか、現行の障害者更生相談所は川崎区内に、社会参加支援センターは身体障害者授産施設「明望園」に一時的に移転。明望園は〇九~一〇年度中にも知的障害者授産施設「陽光園」と統合する方針。