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ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

船引町のヘルパー時間数の裁判のその後

2007年12月10日 14時37分24秒 | 障害者の自立
船引町のヘルパー時間数の裁判のその後

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裁判をした本人だけでなく、市内の他の利用者の時間数も増
 福島県船引町(現在は合併で田村市に統合)でのヘルパー時間数について
の裁判の判決は、すでに全国紙でも報道されましたので、ご存知のことと思
います。判決内容は、実質勝訴(町の誤りを認めたが、支援費制度が廃止さ
れたため裁判根拠がないということで棄却)の判決でした。
 裁判後、田村市では、裁判を起こしたAさん(脳性まひ上肢障害)だけで
はなく、市内の他の利用者のヘルパー時間数もアップしました。市の方から
利用者に時間数増の申請を進めるなど、市の行政も大きくかわりました。
 田村市の団体に記事を書いていただきました。


判決後の支給量は最大1.8倍に。

船引町支援費裁判を支援する会事務局 鈴木 匡
裁判後ホームヘルプが1日4時間から7時間に
支援費制度のころ、Aさんの居宅サービス支援は、日常生活支援で月125
時間(1日約4時間)でしたが、障害者自立支援法においては、身体介護+
家事援助で合計125時間に変更されました。(障害程度区分は4ですが歩
行可能なため重度訪問介護の適用条件を満たさなかったため)。
裁判が終わり、今年10月1日は受給者証のヘルパー時間数の更新日でした
。Aさんはその前の月に、月207時間(1日7時間弱)のホームヘルプを
変更申請しました。その結果、希望通り月207時間(1日7時間弱)の決
定が出ました。(身体介護118時間、家事援助89時間)。

さらに移動支援20時間

また、市町村支援事業における移動支援についても、Aさんは田村市に対し
て昨年10月に、月10時間の申請を行っていましたが、田村市は「生活保
護による他人加算介護料を受給しており、十分に居宅介護のサービスと併用
することにより、移動に係るサービスが可能であること。また、生活保護の
他人加算介護料を全額返却しない限り、居宅介護及び移動支援の支給は考え
ない。」と、移動支援を認めない理由を書いていました。
しかし、今回の申請では田村市からの勧めもあって、月あたり20時間の移
動支援のサービスをもらうことができました。

したがってAさんは、現在身体介護約1日4時間(月当たり118時間)。
家事援助1日約3時間(月当たり89時間)、合計月当たり207時間。さ
らに移動支援1日約40分(月当たり20時間)を合わせた合計は、1日約
7時間30分(月当たり227時間)になりました。これは、旧支援費制度
においてAさんが受けていた日常生活支援、1日約4時間(月当たり125
時間)の支給決定に対して、実に1.8倍の支給時間数になりました。

市内のほかの障害者のホームヘルプ時間ものびる
 一方、他の申請者に対しても、田村市は申請を行った人の申請時間数と同
じ時間数、あるいは、申請時間数を超えた支給決定を行っています。
このように、判決内容は実に大きな展開を田村市に与えることができました。
 
今後の障がい者運動の糧に

 大田区における鈴木啓治さんの訴訟では、東京地裁により支給量に上限を
設けてはならないことが確認されましたが、本件では、申請者の申請時間数
は「単なる申請者の希望というにとどまらず、申請に係る居宅支援の具体的
内容とみることが可能である。」との福島地裁の判断を得ました。
この判断は、支援費制度と同じく、障害者自立支援法の理念も、サービス利
用の主体は利用者であることを認めたことであり、全国の障がいを持つ人が
書く申請書の申請時間数は、希望の時間数ではなく、生活に必要な具体的な
内容(時間数)であることを認めたものであり、必要な介護実態であること
を市町村に対して説明することができます。また、この判断は、人口の少な
い市町村においても必要な時間数が確保できることを意味し、今後の自立生
活に向けた障がい者の運動に大きな弾みがついたことは間違いありません。
最後になりましたが、合計5回の法廷審理時後の報告会には、のべ、250
人が県内外より集結していただきました支援者の皆さんにも、紙面を借りて
再度深謝申し上げます。

自立支援法が「絶望引き寄せた」 甲良の父娘心中、調査報告

2007年12月10日 00時22分28秒 | 障害者の自立
自立支援法が「絶望引き寄せた」 甲良の父娘心中、調査報告
2007年12月9日


 障害のある娘2人とその父が昨年12月、甲良町池寺で無理心中を図った悲劇から1年。事件の背景にある問題や、今後の地域福祉のあり方を探るシンポジウムが8日、近江八幡市鷹飼町の県男女共同参画センターで開かれた。障害児を抱える家族の苦悩、障害者自立支援法、養護学校の寄宿舎問題-。父娘とかかわりのあった学校関係者や保護者らが出席し、事件の要因となった可能性のある問題に触れ、涙ながらに再発防止を誓い合った。

 県内の福祉団体や労働組合で構成する「日野・障害児家族心中事件調査団」(渡辺武代表)の主催。悲劇を繰り返さないため、事件直後から関係者に聞き取り調査を実施し、今回はその結果を中間報告として発表した。

 調査団は、障害のある娘2人を抱えた父親を取り巻いていた環境、障害者自立支援法に伴う経済的な負担などを焦点に報告した。

 娘2人が通った八日市養護学校の寄宿舎が2008年度で廃止されることに対し、調査団は「大きなよりどころを失い、絶望的な思いを深めていったのでは」と指摘。自立支援法の施行については「親子3人の絶望を身近に引き寄せた」と報告した。

 その後のシンポジウムには、養護学校職員、障害児童の保護者、町福祉課職員らが参加。子どもが同じ養護学校に通う吉村佐栄子さんは「障害のある子どもを持つ親の不安が取り除け、話を聞いてもらえる場所があれば」と願い、「健常児と同じく人間らしく育っていけるよう、行政と地域の支援をいただきたい」と訴えた。

 養護学校職員の前川秀子さんは「学校職員が障害のある子どもの親に、これからの希望を語れるよう努力する。それが3人の命に応えることだと思う」。涙を見せながら、決意を語った。