Sinks in Alcohol

節操なくお酒に沈む、ある酒飲みの半生

三芳菊 特別純米 中取り 阿波山田錦 生

2011年12月26日 | 日本酒
おそらく、3年ぶりの購入となります。

【三芳菊(みよしきく)】


近年になって評価がうなぎ上りのこの銘柄。
「みよし“ぎ”く」ではなく、「みよし“き”く」が正解でしょうか。



阿波山田錦100%、精米歩合60%の特別純米酒。
中取り生となります。

さっそくレビューへ。


上立ち香は甘い香り。
吟醸香と呼んでいいのかわかりませんが、南国系、熟したパイナップルのような香りです。

口に含むと、まず舌先に酸、ほぼ同時に甘み。
舌先にタッチする甘酸のバランスは、巨峰そのものです。

口の中で転がすと、ふんわりした旨味が感じられてきます。
ほんの少しだけ渋味が立ち上がってきますが、これは果実味ではなく、日本酒っぽさを彷彿とさせるもの。
でも、これくらいしか日本酒の片鱗は感じ取れません。

後口は甘酸で〆。
アルコール感は一切無く、余韻も艶があり上品。
今飲んでいるものは、貴腐ワインではないのかと思わせるフィニッシュです。


まだ【三芳菊】がそこまで知られていなかった頃、1本購入したことがあります。
その時の規格は純米吟醸の雄町。
甘みが強く、醤油や味噌といった和食の味付けに決定的に合わない酒、という認識を持ちました。
時が流れ、今口にしている【三芳菊】は、甘みは強いながらも、控えめさを兼ね備えて、非常に上品。
いまだに和食には合いませんが、白ワインを飲むときの組み立てを考えて合わせれば、恐れることはないのだと知りました。

アテは「コンビーフとゴルゴンゾーラのポテサラ」。


コンビーフ・ブルーチーズの塩気を【三芳菊】で流す組み合わせで、我ながら良いチョイスだと思っています。