風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

お相伴

2012-05-01 22:13:11 | 家族
           離れて住む孫の誕生日がもうすぐだ。
          プレゼント、なにがいい? と訊いたら
              スニーカーが欲しいという。
 
          小学4年生で、サイズは23.5とのこと。
           大きいことはいいことだ、と褒めてやる。
     

          なにより、値の張るものでなくほっとしたので、
           四歳違いの下の子のサイズもついでに訊いた。

           「え? 私だけじゃないの?」
             余り機嫌がよくない。
           その気持ちはわからぬでもない。

      靴くらい親でも買ってくれるが、誕生祝というので喜んでいるのだ。
           妹は誕生日でもないのに……と思うのは、
             子供心というものかもしれない。

           「あのね、それをね、お相伴って言うのよ」

           ばあさんは電話のこっちで言って聞かせたが、
           ふうんという返事は納得のいかない声だった。

             「お相伴」はちょっと古かったかなあ。

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