恵まれているものとそうでないもの |
20代の中頃に書いたその少年小説を原作とした作品は、今も引出しの中に眠っています。当時数カ月かけて書いたその習作は、書き始めと終わりでは出来上がりが違っています。登場人物の顔さえ変わっていましてとても人様に見せられる代物ではないのです。でもいつか、きっと陽の目に見させようと心に念じています。
恵まれているものとそうでないもの |
この街は、うす汚れた繁栄と虚飾にみちている。アスファルトを焦がす夏の日の太陽は、工場のばい煙の向こう側で笑っている。 1969年僕達は巡り会った。 |