机の上

我、机の上に散らかった日々雑多な趣味(イラスト・劇画・CG・模型・HP・生活)の更新記録です。

あした来る人

2016-03-11 05:16:00 | 本の読味
読了。

 井上靖 著  昭和三十六年七月十日発行  昭和四十四年一月二十日 十一刷  定価190円

 目次の第一章の「リュックサック」だけを読んでやめるつもりだった。
これは先に映画を観ていたので筋書きは判っていたので三日坊主で終らせるつもりだった。
映画は大変感動したので何度も観た。
例によって本棚を物色していたら偶然原作があった訳だが、購入した記憶が無い。家人に尋ねても知らないと言う。

 初章のリュックサックとはうまい題名のつけ方と感心してしまった。
主要な登場人物五人の内の男二人はリュックサックに縁のある人物だ。
一人はカジカの研究者で背中のリュックサックには研究資料で一杯だ。
後に登場する男は登山家とこれまたリュックサックに縁のある人物だ。 
あとの三人は還暦の実業家とその娘と愛人だ。この三人には見えないリュックサック、人それぞれに背中に荷物を背負っているといったところか。
五人の背中の荷物が人々を結びつけてゆく。リュックサックとはこの物語の伏線なのだ。



 絵は映画の中の登場人物をラフったものである。
小説を読んでいると先に観た映画の俳優達の声が聞こえてくるので、すっかり気に入ってしまい読了してしまった。
おかげで通勤は楽しいものになった。