ひまわり博士のウンチク

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訃報 アントニオーニ

2007年08月01日 | 映画
 イングマール・ベルイマン監督に続き、ミケランジェロ・アントニオーニ監督も亡くなりました。
 そして今日、阿久悠氏が亡くなったというニュースが入りました。
 昨年後半から、一時代を築いた人たちが次々に亡くなっています。
 天寿を全うした人もあれば、夢半ばにして旅立った人あり、いずれにしろ淋しいものを感じます。

Antonioni ミケランジェロ・アントニオーニ監督は、特に僕が好きな映画監督のひとりで、「赤い砂漠」や「欲望」が印象に残っています。
 効果音でない、自然の発する音と映像との、精妙な組み合わせが好きでした。
 「赤い砂漠」では、主演のモニカ・ヴィッティの背景に、石油プラントから立ち上る炎が、無気味な音をたてるシーンがあり、それが妙に目と耳に焼き付いています。

Monica

 モニカ・ヴィッティは、アントニオーニ監督によってスターになりました。
 僕が若い頃とても好きな女優さんで、決して美人とは言えない顔だちなのに、不思議な魅力がある人でした。最近全く見かけなくなりましたが、どうしているのでしょうか。

Blowup
 「欲望 BLOW-UP」はミステリーなのかサスペンスなのかよく分からない映画で、ストーリーも意図するところもよく分かりません。しかし、ワンシーンワンシーンが、とても美しくできていて、赤い砂漠と同じように、音と映像のコラボレーションがすばらしい。
 デヴィッド・ヘミングス演じる若手カメラマンの視線を、巧みなフォーカシングで表現しています。
 スタジオ撮影で、モデルに馬乗りになって撮影するシーンはポスターにもなりました。
 ニコンの一眼レフとハッセルブラッドを駆使しての撮影シーンは、プロのカメラマンを唸らせた手際のよさでした。

 総じて、アントニオーニ監督の映画は、わかりにくいものが多いのですが、理屈抜きで人を引き付けるものがありましたね。
 反体制左翼だった僕の父は、「思想がない」とか「ブルジョア映画だ」とか言って批判していましたが……。

 「赤い砂漠」も「欲望」もすでにDVDもビデオも廃盤で、入手しにくくなりました。でも、今度発売される時には、廉価版で出るのでは…。

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