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ひまわり博士のウンチク

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ドラマ「ビブリア古書店堂の事件手帖」

2013年01月22日 | テレビ番組
Bibria
 
 「ビブリア古書店堂の事件手帖」が面白い。フジテレビの月9ドラマとしてはかなり異色。マニアックなドラマである。毎回絶版になっている古書がからんだ出来事が描かれている。扱われる「事件」そのものはなんということもない。ただ、知る人ぞ知る絶版本が毎回テーマになっているのだから、次はどんな本が登場するのか興味津々である。本好きにはたまらない。
 第一回は、新書判の漱石全集に納められた「それから」で、扉に書き込まれた「夏目漱石」という署名が本物のサインならそうとうな価値ではないかと、ビブリア古書店堂に持ち込まれる。
 この全集が刊行された当時、すでに漱石は他界しているのだから、本物であるわけはないのだが、いかにも古そうな漱石全集に署名があれば、本を知らない人は期待してしまうのかもしれない。
 この全集、以前紹介したように自分は蔵書している。旧字旧仮名で発行された最後の全集で、そういった意味では貴重品だ。
 
 今日放送された第2回は、小山清の『落穂拾ひ』。初版ではなく新潮文庫判である。ドラマの中ではさほど珍しいものではないといっているが、文庫本でも数千円は付けられているので、入手しにくい部類に入る。
 残念ながら、この本は蔵書していない。しかし、番組を見ていて、何となく読んだ記憶がよみがえった。
 「落穂拾ひ」は短編で、最後の方で女性が爪切りと耳かきを贈るシーンで記憶がよみがえった。しかしいつどこで読んだのか覚えていないし、詳細な内容も記憶にない。まあ、その程度の印象だったのだ。今読み直せば違ったかもしれないが、放送が終ったとたん、ネットの古書はすべて売り切れていて、残っているのは万単位の値段がついた単行本だけだった。今後気をつけないといけない……って何を気をつけるのかわからないが。
 ドラマの途中、女店主がフォークナーの「サンクチュアリ」を手にしているところがチラリと見えた。奇しくも今日から読み始めたところだ。
 
 このドラマの気に入ったところは、「古書は内容だけではない。人の手から手へとわたってきた歴史がある」と言っていることだ。日に焼け、擦り傷がつき、装幀にゆがみのある古書は、何人もの人に知識と感動を与えてきた勲章だ。それは、電子書籍では絶対に現れることのない、本が生きてきた証なのだ。
 
 主演の剛力彩芽はこれまでのぶりっ子とは違った雰囲気があってなかなかいい。前から彼女はこういうクールな役回りの方がいいのにと思っていた。
 ビブリア古書店堂の店内はドラマのために作ったものなのかどこかの古書店でロケを行ったのかわからないが、雰囲気はとてもいい。しかし、えらく本が探しにくそうな造りではある。
 
 第3回の予告で、青木文庫の表紙が見えた。旧ソ連で教科書として使われたこともあるクジミンの『論理学入門』。これも入手しにくい。青木書店が発行していた青木文庫は、おもにプロレタリア系、社会主義系の著作を総合的に網羅していたが、現在はすべて絶版である。自分は同じ内容のものなら岩波文庫か大月書店の国民文庫で揃えていたので、青木文庫は十数冊しかない。
 保守的なフジテレビがどう扱うのか、ちょっと興味がある。おそらくミソクソだろうが。
 
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