ひまわり博士のウンチク

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とうとうオーバーフロー

2010年12月21日 | 本と雑誌
Lenin
 
 『けーし風』の読者の集いで知り合ったMさんが、沖縄に移転するにあたり蔵書の整理をすることになった。
 その中に『レーニン全集』(全45巻別巻2巻)があって、行き場所がないから処分したいということなので、引き取ると後先考えずに応えてしまった。
 実は、父親の蔵書に仮綴じの『レーニン全集』があって、それは35巻までと別巻2冊、なぜか飛んで40巻だけ。36巻から39巻までと41巻から45巻までを機会があったら揃えようと思っていたのだが、これまでその機会がなかった。
 そんな理由もあって、譲り受けておくのも悪くないと、瞬間思ったのだ。
 
 実は『レーニン全集』の当初の刊行予定は全35巻別巻2だったのだ。それが日本語版刊行中にロシア語版が追加されてしまったのである。父親は35巻で完結したと思い、購入するのをやめてしまったのだろう。その後必要を感じたのか40巻だけをポツンと購入している。
 マルクス・エンゲルス全集のときもそうだったが、巻数の多い個人全集は当初の予定が変更されることが珍しくない。以前紹介した『夏目漱石全集』も、ずいぶん経ってから1冊追加された。
 
 ちなみに『レーニン全集』は第一回配本(1953年)から全45巻(1969年)完結まで13年かかり、『マルクス・エンゲルス全集』は第一回配本(1959年)から最終巻の第52回配本(1981年)まで22年もかかっている。だもので、父親は完結を待たずに他界した。
 
 で、全巻揃いだというので引き受けたのは良いが、置き場所がない。結局階段に積み上げたままである。
 アシのYが朝来て、「階段がもう一つできてる!」とあきれていた。
 
 今日G出版に行ったときに、社長に預かってくれないかともちかけたが、置き場がないとあっさり断られた。
 仕方がないので、書庫を整理してなんとか場所を作ることにする。そうでないと、場末の古本屋状態になる。
 
 
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 ウラジーミル・イリイチ・レーニン(1870-1924年)を一言で紹介すると、マルクス主義を体系づけ実践して、ロシア革命を成し遂げた人である。本名はウリヤノフ。
 
 ロシア革命の結果、ソビエト社会主義共和国連邦が誕生し、レーニンは社会主義建設を指導した。
 僅か54年の生涯で、あと10年生きていたならば、スターリンがソ連の首班につくことはなかったであろうといわれている。
 ということは、悪名高い「スターリン粛正」は起きることはなく、その後のフルシチョフ、ブレジネフと続く流れも違っていたということだ。
 レーニンを記念して名付けられたレニングラードは、ソ連解体後改称され、現在はサンクト・ペテルブルグ。革命前はペテルブルグ、ペテルグラードと称し、旧制ロシア帝国の首都であった。
 
 主著に『帝国主義』『国家と革命』『なにをなすべきか?』『カール・マルクス』。とくに『帝国主義』は、マルクスの『資本論』をもとに、二十世紀資本主義を解明した、不朽の名著とされている。原著のタイトルは名言「資本主義の最高の段階としての帝国主義」である。
 レーニンの主な著作はほとんど文庫化されているので、全集で読まれることはほとんどない。であるから、この全集の大半は「積ん読」になる。
 
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