フランス語の勉強ノート

フランス語を勉強していて、知らなかったこと、忘れていたこと、発見したことなどについて書いていきます。

セミとアリ La Cigale et la Fourmi

2005年08月01日 16時44分03秒 | フランス語名文・迷文
イソップ物語の「アリとキリギリス」、本当のイソップ物語では「セミとアリ」でした。
イギリスなどセミが一般的でない国では、セミがバッタやキリギリスに変えられてしまったためだと言われています。
日本のイソップ物語もキリギリスバージョンが元になっています。

フランスでは、イソップ物語というよりも、17世紀にラ・フォンテーヌがイソップ物語をベースに集大成した「寓話集」が有名です。
ラ・フォンテーヌの話では、原典どおり「セミとアリ」になっています。

セミは夏のあいだ、歌を歌って暮らしていました。
しかし、冬になると、食べ物がなくなり、困ってしまいます。
そこで、アリのところに行き、種を分けてもらうように頼みます。

Je vous paierai, lui dit-elle,
Avant l'août, foi d'animal,
Intérêt et principal.

foi d'animal "foi d'honnête homme(紳士の名誉にかけて、誓って言うが)"をもじったものだと思われます。
intérêt 利子
principal 元金

セミはアリに言いました「誓います。8月までには利子も元金もお支払いします」

おぉ、なんて現代的なセリフ。

さて、アリは、

La Fourmi n'est pas prêteuse
prêteuse 喜んでやすやすと貸す

「おー、そーか」と貸すようなヤツじゃないんですね。
セミに夏は何をしていたのかと聞きます。
セミが「歌ってました。あなたも聞いていたでしょう」と答えると、

Vous chantiez ? j'en suis fort aise :
Eh bien ! dansez maintenant.

fort たいへん(文語)
aise うれしい(文語)

歌を歌ってたんですか。そいつはよかったですね。
それじゃあ、今度は踊ったらどうです。

きついですね!
参考:NHKラジオフランス語講座2005年7月号