monologue
夜明けに向けて
 

修業  



予言の民ホピ族によればわたしはTrue white brotherとして日の昇る国で修行して地球救済に任ることになっていた。わたしは以前は宗教の形で地球救済に携わったが、あまりうまくゆかなかった。それで、今回は渡米してアーティストとしてハリウッドでロックミュージシャン生活をしてレコード制作や映画関係に関わったりしていた。
日の昇る国での修行はなまやさしいものではなく厳しく過酷だった。
まず原宿竹下通りのホワイトエレガンスプロでオーデションに受かって声優として所属していると派生的にできた劇団での核反対の舞台稽古で
1988年9月14日午後9時過ぎ、反原子力関係の劇の舞台稽古中、窓からJRを臨む渋谷の稽古場で、原発ジプシーと呼ばれる役の若者たちが原子力博士役のわたしを何度も胴上げから放り投げた。
わたしは柔道の前方回転の要領で立ち上がり続けたのだが、それではなにか物足りなさを感じていたらしい舞台監督の演出家が、フィナーレの構想を練って、
わたしの身体が一番高く上がった時に電灯を消せば観客の目にその場面が焼き付いてフィナーレとしてふさわしいのではないかと思って試させたのである。
演出家が「電気を消せ」と指示した途端わたしの視界は真っ暗になって、わたしは自分の身体の位置がわからなくなって額から落ちて頸椎を損傷したのだった。

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