monologue
夜明けに向けて
 

bobby  


事件は関わったものたちによって、よってたかって闇に封じられた。そのため現在ではかなりの洋楽ファンでも被害者ボビー・フラーの名前を知っている人は少なくなった。当時、売り出し中の新進ロックミュージシャン、ボビー・フラーは1966年7月18日にロサンジェルスの自宅の車のところで怪死を遂げた。
1966年 FEBRUARY 26,付けキャッシュボックス(CASH BOX)誌 Top 100 Singlesをチェックすると以下のようであった。
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1 THESE BOOTS ARE MADE FOR WALKIN’ Nancy Sinatra
2 THE BALLAD OF THE GREEN BERETS SSgt. Barry Sadler
3 LIGHTNIN’ STRIKES   Lou Christie
4 UPTIGHT (Everything’s Alright) Stevie Wonder
5 MY WORLD IS EMPTY WITHOUT YOU Supremes
6 MY LOVE Petula Clark
7 LISTEN PEOPLE Herman’s Hermits
8 CALIFORNIA DREAMIN’ Mama’s & The Papa’s
9 DON’T MESS WITH BILL Marvelettes
10 WORKING MY WAY BACK TO YOU 4 Seasons
11 CRYING TIME Ray Charles
12 ELUSIVE BUTTERFLY Bob Lind
13 BARBARA ANN Beach Boys
14 AT THE SCENE Dave Clark Five
15 I FOUGHT THE LAW Bobby Fuller Four
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   この週ボビー・フラーのバンドの「I FOUGHT THE LAW」 が15位に上がってきていた。そして翌週にはトップ10に入った。ところがそのボビー・フラーが7月18日にロサンジェルスの自宅の車のところで怪死を遂げた、という。その裏になにがあったのか。

fumio

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サム・クックを射殺したと申し出たハシエンダモーテル( Hacienda Motel)管理人バーサ・フランクリン(Bertha Franklin)に対する審問場面でかの女は表情を隠すためか、濃いサングラスをかけて審問に臨んでいた。審問官はバーサ・フランクリンがマフィアの実行犯に脅され金をつかまされて身代わりに名乗り出ただけで実際にやっていないとわかっていたが儀式のように型通りの質問を一応してみせた。以下にコピーしておく。
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How far was Mr.Cooke away from you when you started shooting?"
「あなたが撃ち始めた時、クック氏はどれほど離れていましたか」
フランクリン
"Not too far, the close range."「あまり離れていません。近距離よ」
審問者
"How many times did you fire with the pistol? "
「何度ピストルで撃ちましたか」
フランクリン
"Tree times."「三度」
審問者
"Did you know Mr. Cooke struck?"
「クック氏に当たったとあなたはわかりましたか」
フランクリン
"Yes, so, he said, Lady you shot me."
「はい、それでかれは、奥さん、あなたはぼくを撃った、と言いましたから」
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一発目が当たったのならそれで充分なのに三度もピストルを撃つのもおかしいし、撃たれて死ぬ間際の相手が「奥さん、あなたはぼくを撃った、」と確認のように言うのも不自然過ぎる。バーサ・フランクリンは初めから正当防衛にする約束だったので身代わりになったようだ。このようにしてサム・クック射殺事件は闇に封じられたのだった。そしてこのアメリカの闇を象徴するストーリーは「ボビー・フラー怪死事件」へとドラマではなく現実の世界で進んで行ったのである。
fumio


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