monologue
夜明けに向けて
 



今朝のNHKBS1「キャッチ 世界の視点」でモハメド・アリ(Muhammad Ali )の追悼式が故郷ケンタッキー州ルイビルで10日に行われると報じていた。わたしたちの世代はかれを「カシアス・・クレイ」と呼んでいた。
ところがある時かれは会見で「What's my name?」と記者に尋ねた。記者はとまどいながら「キャシアス・クレイ」と答えた。するとかれは怒りの表情でまた「What's my name?」と尋ねた。そして記者がまた「キャシアス・クレイ」と応える。その応答が何度も何度も繰り返されて。やっとかれの真意がわかった。「Cassius Marcellus Clay, Jr.」というのは奴隷として与えられた名前だからその名前で呼ぶな、というのである。モハメド・アリ(Muhammad Ali )と呼べと言うのだった。その頃は多くの人はなんのことかわからなかった。イスラム教に加入して新しい名前になったのだ。かれがベトナム戦争徴兵を拒否した時は驚いた。世界タイトルを剥奪されてもベトナム人に対して怨みもないし殺すいわれもない、と国に対して表明する勇気にうたれた。ボクシングというスポーツだけではなく人間としてのチャンピオンだと感心したものだった。あの頃かれに圧力を加えた者たちは今羞じているだろうか。合掌。
fumio

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