monologue
夜明けに向けて
 



 経済的にいよいよ逼迫して早くなんとかしなくてはならない。そんなとき、10thアベニューの学生寮のようになった家に転がり込んできた女子学生が夜、日本人街(リトル・トーキョー)の日本食レストランでアルバイトを始めてその店のピアノバーでエンターティナーを探しているという。早速、GTOにギター、譜面その他を積んでその店に向かった。店を探して夜のリトル・トーキョーをグルグル廻っていると不審車両と思われたらしくLAPD(ロサンジェルス警察)のオートバイに停められた。わけを言うとその店の場所を教えてくれた。店のオーナーは女性ピアニストを探していたのだがギターの弾き語りをしてみせると仕方ないと思われたのか採用された。夜9時から朝2時まで演奏すること。それが米国での初めての仕事だった。女性ピアニストが好みのオーナーの意向には反していたがバーテンダーやスシ職人など従業員には評判が良かった。
fumio

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