Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

ニペソツ岳登山

2012年08月24日 | 山歩き

8月24日(火)   東大雪、ニペソツ岳    天気=曇り時々雨



06:56十六ノ沢登山口→ 08:23~43天狗ノコル→ 09:38幌加温泉コース分岐→ 11:00~11ニペソツ岳→ 12::24幌加温泉コース分岐→ 13:10~22天狗ノコル→ 14:27十六ノ沢登山口


 大雪連峰の東端にあるニペソツ岳は、ゆったりした山容が多い北海道の山にあっては珍しく槍の穂先のような鋭鋒です。昨日登るつもりだったが、山に懸かる黒い雲の流れがあまりにも速く登山は無理と諦め、一日遅れて登山口に入った。風こそ収まったものの今日も山は雲にスッポリ覆われて、あまり良い天気とは言えない。登山口に置かれている入山ノートを見ると既に4名程先行しているので気分的には心強い。




 
十六ノ沢登山口



 倒木と石を伝い十六ノ沢を渡って登山道が始まる。昨日の雨で少々ぬかるんでいるが樹林帯の中緩やかな傾斜の歩き易い道が続く。1時間程登ると傾斜の無い平坦な尾根となり、その後小天狗岳山腹を急登する。注意書きのある小さな岩場を越すと、一旦降って天狗ノコルに着く。此処はテントが数張り設営できるスペースがある。中年夫婦と単独の男性が休憩していた。単独男性の話では、男性が一人先行しているとの事。ここから前天狗岳に向け登って行く。途中で樹林帯から丈の低いハイ松帯に変ると霧雨を混じえた強い風に見舞われるようになった。




 
天狗ノコル付近の登山道



 風に体熱を奪われ寒さを感じたので雨衣を着て進む。ガスの中、視界は数十m程しかないので、登山道を見失わないよう慎重に歩いて行く。尾根の途中に携帯トイレブースが現れ、今自分が前天狗岳(1888m)を越えた地点に居る事が確認できた。一旦降って天狗岳の登りにかかる。全く視界の無い中では地図を見ても無意味なので、踏み跡と目印を頼りに進んで行くしかない。
 登りから降りに転じたので、天狗岳(1868m)は越えた様子だ。今度はいよいよニペソツ岳への登りのはず、登山道の左側は切れ落ちた岩壁となり迫力のある眺めだ。上から男性が降りて来た「此処を登ったら山頂ですよ。あと30分程だから頑張ってください。」とエールを送られた。彼の声に勇気づけられ、益々急になる登山道を黙々登って行く。一旦稜線を乗越し、細い尾根沿いにしばらく行くと小さな標識があるニペソツ岳(2013m)に到着した。出発してから5時間余、実に長い道だった。



 
ニペソツ岳山頂




 
山頂から北に続く尾根




 
山頂から天狗岳方面




 しばらく待つと山頂を覆うガスが切れ始め、周囲の尾根や遠くの山々が見え始めた。先行した男性は「展望は全く無かった。」と言ってたから私は良いタイミングで登って来た様だ。風は相変わらずで身体も冷えてきたので下山を開始する。
 少し降った所で単独男性と会った。「もう直ぐ山頂ですよ。」とエールを送る。更に降った天狗岳との鞍部近くの岩峰で中年ご夫婦とすれ違った。「此処を登り詰めたら山頂ですよ。」と声を掛けたが、「あのペースじゃ帰りは遅くなるだろなあ。」と気にかかる。でも元気そうだったから大丈夫だろう。




 
ニペソツ岳降りの岩峰



 鞍部から天狗岳に向けて登りになる。振り返ると頭が雲に隠れたニペソツ岳が大きく見える。展望が効くと自分の辿った道のアップダウンの激しさを実感させられる。天狗岳を越えて降った所が往路で良い目印となった携帯トイレブース、此処まで降りると風は弱まり霧雨も収まってきた。前天狗の降りで先行していた男性のザックを視界に捕らえた。



 
天狗の登りからニペソツ岳



 天狗のコルで最後の休憩をして、登山口に向け降って行く。程なく先行する男性に追いついた。その後彼と一緒に降りて行く。千葉県から来たという男性は、「此処に来る前、職場に辞表を提出したんですが、上司に待てと言われて、その上司が先に辞めちゃったんですよ。」何て深刻な事を世間話のように話してくれた。私は40前であろう彼に対し、無職で気儘に山歩きをする自分が少し恥ずかしく思えた。
 二人で歩いたお陰でアッという間に登山口に帰ってきた感じだ。明日にはフェリーで戻ると言う彼と別れ、私は十六ノ沢で身体と汚れた衣服を洗う。と、そこにミニパトに乗った警察官がやってきた。糠平温泉駐在所のお巡りさんだった。洗い物をしていた私は何となくばつが悪く、彼も「あまり感心しないね。」と言いたそうな顔だった。「昨日、糠平温泉の駐車場に泊っていたでしょう。」と問われ、田舎のお巡りさんなのに良く見てるなあ。とビックリした。別にお尋ね者ではないんだけど、居心地が悪くなり、早々に登山口を後にした。
 ニペソツ岳を終えると次の行き先は日高の山いずれも難しそうな山ばかりなので、「これで終ろうか。」半分弱腰、とに角これから温泉に入ってビールを飲んで英気を養ってから考えよう。

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