Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

八ヶ岳、硫黄岳&赤岳登山

2012年03月30日 | 山歩き

3月26日(月)   天気=曇り後晴れ

07:02美濃戸口発→ 07:58~08:04美濃戸山荘→ 08:52~58堰堤広場→ 0:48~11:25赤岳鉱泉テント場→ 12:39~44赤岩ノ頭→ 12:56~13:04硫黄岳→ 13:10~14赤岩ノ頭→ 13:54赤岳鉱泉テント場→


 「年に一度は雪山でテント泊する。」と誰に言われた訳ではないが、勝手に決めた自分の思いがある。今年はまだチャレンジしていないので八ヶ岳へ向う事にした。高速料金深夜割引の効く朝4時前に圏央鶴ヶ島ICから高速道に入り中央道、諏訪南ICで高速を降りる。インター側のファミリーマートで朝食を調達して登山口の美濃戸口には7時前に着いた。有料駐車場(1日=500円)に車を停める。平日とはいえ10台程が既に駐車しており、中高年男女6名パーティが出発しようとしていた。



 美濃戸口の駐車場


 私も装備を慎重に点検した後(何しろ前回登山靴を忘れるという失敗を演じたばかりなので)幕営装備でズシリと重いザックを背に歩き始める。寒気が入った冬型気圧配置のせいか空気が凍えるように痛い。しばらくは凍結した林道歩きが続く。この先の美濃戸まで一般車の通行可能だが、ガチガチに凍結した深い轍の状態ではタフな四駆でなければ進入は無理だろう。それに駐車料金が倍の1日1千円もする。
 1時間程で数軒の山小屋が点在する美濃戸に着く。夏場は混雑する所だが今は人影も無く静かだ。行者小屋へ向う南沢コースを右に見て北沢コースを進む。赤岳鉱泉小屋の四駆車が駐車している堰堤広場が林道の終点で、此処からは北沢沿いの登山道に変る。雪景色にしっかりとした踏み跡が続いている。



 北沢沿いの登山道



 登山道に入ってすぐに先行したパーティに追いついた。全員アイゼンを装着しており荷物から察すると赤岳鉱泉小屋に宿泊するのだろう。沢沿いに標高を序々に上げて行く。最近マラソンの練習を多めにしているので久し振りの重荷にも係わらず脚の調子がすこぶる好調だ。稜線の山々は雪雲に覆われて見る事はできない。森林の奥に建物が現れた。意外にアッケない感じで赤岳鉱泉小屋に到着した。
 早速テントの設営に取り掛かる。テントが完成すると小屋に行きテントの受付を済ます。1日1千円の幕営料は一寸高いが安全を買うと思えば納得できる。赤岳鉱泉は随分久し振りだが屋内がとても洒落ていて山小屋と言うより山のホテルという雰囲気だ。屋外にはアイスキャンディと呼ばれている人工の氷壁がありアイスクライミングのゲレンデとなっている。




 赤岳鉱泉の食堂



 アイスキャンディ(アイスクライミングゲレンデ)



 パンの昼食を終えて11時25分に硫黄岳へ出発する。森林の中にしっかりしたトレースが続く雪道だ。ジョウゴ沢へ向う踏み跡を右に見ると森の中ジグザグの急登に変る。途中で青い服装の中年男性を追い抜いた。だんだん風音が強まってくると森林限界を越え小さな雪庇を伴った赤岩ノ頭が真上に見えた。そこまで距離は僅かだが凄い急坂で何年か前に雪崩遭難が発生した場所のはずだ。出発前に小屋の男性従業員が「今は大丈夫ですよ。」と言ってくれたので危惧はしていないが、雪壁みたいで両手両足を駆使して赤岩ノ頭(2656m)に着いた。
 赤岩ノ頭ピークに着いた途端殴りつけるような風雪に見舞われた。此処で引き返そうかと一瞬思ったが硫黄岳はそんなに遠くない。視界も効いているので前進を続ける。強烈な西風に身体を傾けながら序々に進み岩稜の尾根を越えて硫黄岳(2760m)に着いた。



 赤岩ノ頭より硫黄岳方面(黒い岩の奥に硫黄岳)



 広々した山頂は強風が吹きぬける。でも雲は稜線付近だけなので時折赤岳や阿弥陀岳の姿も垣間見える。小さなお社で強風を避け証拠の写真を撮ると早々に山頂を辞す。下山途中、青色服の男性が赤岩ノ頭の雪壁下まで来て居た。彼はそこから引き返すと言う。風雪が私の登った痕跡をかき消して雪壁への降り口がよく判らない。少し踏み出したら雪庇がボロッと割れて一寸ビックリさせられた。



 硫黄岳山頂



 広々した硫黄岳山頂



 青色服の男性がもう少し右だよとアドバイスしてくれて登りの痕跡を見つけて雪壁を降った。雪壁の下は先程の強風が嘘の様に静か、男性は此処で写真を撮って下山すると言う。下山の雪道はクッションがあるので夏道より楽だ。グングン降って行ける。途中2名程登って行く人とすれ違った。
 PM2時頃赤岳鉱泉に戻る。日差しがあるとテントの中は温室効果で暖かくて快適だ。ビールを飲みながらアイスクライミングの見物等で時間を過ごす。夕食後テントを出ると森の上に聳える大同心や赤岳が残照に映えて実に美しかった。




 テント場と奥に白く輝く大同心岩峰









3月27日(火)   天気=晴れ


07:02赤岳鉱泉テント場→ 07:36~38行者小屋→ 08:45~54地蔵ノ頭→ 09:27~39赤岳→ 10:00~10:12地蔵ノ頭→ 10:58~11:00行者小屋→ 11:09~15中山展望台→ 11:29~12:35赤岳鉱泉テント場→ 13:02~05堰堤広場→ 13:31~35美濃戸山荘→ 14:25美濃戸口


 天気予報どおり今朝は快晴、絶好の登山日和となった。ガソリンコンロの調子が悪かったので朝食が遅れ、出発は7時過ぎとなった。風は無いが朝方の冷え込みで手足の先が痺れる程寒いが素晴らしい眺望に心は弾む。30分程で行者小屋に着く。小屋は無人だが2張りテントが設営されている。



 赤岳鉱泉小屋と奥に硫黄岳



 行者小屋より阿弥陀岳方面



 小屋脇から地蔵尾根コースが始まる。このコースはとても急峻で登れば登る程傾斜が強まる。森林限界を越えたら気を休める場所は無くひたすら雪尾根を登って行く。特に稜線直下はナイフリッジ状になっており靴幅も無い踏み跡で緊張を強いられた。此処は4年前の1月にも登っているが、雪が多く凍結箇所も多い3月の方が困難な気がする。
 稜線の地蔵ノ頭に着いてホッと一息、紅茶とパンでブレイクタイム、展望が開き白銀の山々が美しい。八ッの山々は勿論北・南アルプスや浅間山遠くは富士山まで眺望できて心満たされる思いだ。




 地蔵ノ頭より横岳



 地蔵ノ頭から阿弥陀岳



 赤岳展望荘より赤岳山頂



 休憩を終え無人の赤岳展望荘の脇を抜け赤岳へ向う。急な雪稜をジグザグに登って行く。途中2名の単独男性と交差した。9時27分八ヶ岳最高峰、赤岳(2899m)に到着した。幸い山頂には誰も居らず独り占めする事ができた。



 赤岳山頂



 赤岳より権現岳奥に南アルプスの山々



 赤岳北峰より赤岳山頂(南峰)




 しばらく山頂からの眺望を心ゆくまで満喫する。自分の年齢を考えたら雪の赤岳山頂は今回が最後かも知れないと思えば感慨も深い。満足な思いで山頂を後にする。下山の道は往路を忠実に辿る。地蔵ノ頭直下のナイフリッジは、登り以上に下りは緊張させられた。
 森林帯まで降って緊張から解放された。下山途中の中山乗越から分岐する中山展望台ピークにはまだ行った事が無かったので時間も早いので寄り道してみる。5分程で着いたピークからは、赤岳や横岳西壁の展望が素晴らしくて中山展望台という山名に偽りは無かった。




 中山展望台より横岳西壁



 中山展望台より赤岳



 戻り着いた赤岳鉱泉のテント場には暖かい日差しが注がれてとても心地良い。テントの撤収を終え装具をザックに収めると下山の途につく。昨日は雪に覆われていた沢に架かる幾つかの橋も、今日は雪が溶け露になった木板が傷つくのではとアイゼンで渡るのが少し心苦しい。「明日はスキーを楽しめる。」と下山の道も心弾む。14時25分美濃戸口の駐車場に到着すると昨日出発時には不在だった駐車場管理人のオジサンに2日分1千円の料金を支払う。
 その後、管理人のオジサンに教えてもらった原村の日帰り温泉「もみの湯」で山の汗を流す。夕刻コンビニで夕食とビールを購入し、蓼科ビーナスライン沿いの花蒔公園駐車場で車中泊をして一晩を明かした。
 翌28日(水)はピラタス蓼科スノーリゾートに移動してスキーを楽しむ。春スキー料金という事でシニアは1日券2千円と格安だった。このスキー場は標高が高いので、この時期としては雪質も良好で、ロープウェーを利用して思う存分滑る事が出来た。天気は生憎の雪模様だったけれどスキーには支障なく、今日が登山だったら登れなかっただろうから天気の巡り合せも今回はラッキーだった。登山とスキーでグッタリ疲労が蓄積した身体をお土産に夕刻我家へ帰宅した。










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