我が家のバスルームの出窓の下では、毎日一流演奏家がライブを・・・・・
色んな秋の虫が奏でるシンフォニーに・・・・
湯船に浸りながら耳を澄ますのが、この時期の贅沢な愉しみなんである。
「虫の声」という童謡は実に、云い得て妙の楽曲だと改めて納得する。
これで何の虫が奏でる音楽かがよく判るからである。
マツムシは・・・・チンチロチンチロチンチロリン
スズムシは・・・・リンリンリンリンリーンリン
コオロギは・・・・キリキリキリキリキリ
馬追い虫は・・・・チョンチョンチョンチョンスイーッチョン
クツワ虫はガチャガチャガチャガチャガッチャガチャ
ああ面白い虫の声
土曜日は東洋館で嫁さんのピアノ教室の発表会
私は音響兼カメラマン兼ギター演奏家でお手伝い
幼時から大人まで、彼女の関わり方が実に見事であると感心しきりであった。
くっ付き過ぎず離れ過ぎず、生徒さんの自主性を尊重して、なおかつ音楽の愉しさも教えているのだ。
「美香さん、中々やるじゃん・・・・。」ってこっそり思ったものだ。
音楽教室「まつや」の二年に一度の大イベント
プログラムが20近くもあり、記念品から花のプレゼント、生徒さんの選曲などなど、準備は相当大変だったらしいのだが、私には一切愚痴の一つもこぼさず、自分一人で頑張ってきたんである。
私はただ黙って見守るだけのここ数日であったのだが、それは可哀相なくらいに神経を遣っていた。
私が関わる音楽とはちょっとジャンルが違いすぎるのだが、それでも、少しでも彼女の負担を吸収してあげたかった。
生徒さんたちの演奏はとても素晴らしかった。
特に、幼児のピアノのタッチの強さには魅かれるものがあった。
「間違ってもいいから、最後まであきらめずにがんばりましょうね・・・・。」
妻が冒頭の挨拶で発した言葉である。
「うーん、たしかに・・・・人生もそうだね。」
PAブースで、心の中で頷きながら同意した私なんである。