日曜日は決まって近くの道の駅物産館やスーパーに買い物にでかける。
100円野菜が中心の質素な買い物なのだが、
私にはとても楽しい時間なんである。
「あの茄子は綺麗だね・・・。」とか
「あのレタスは美味しそうじゃない・・・。」とか
「あのキュウリは新鮮そうだね・・・。」などと
実に罪の無い、他愛もない話をしながら
100円硬貨を握りしめてあれこれ見て歩く。
実はこの瞬間こそが、平凡でありふれてはいても、とても幸せな瞬間であることを二人とも良く知っているのだ。
お盆も来ることだし、何か花を買いたいと妻が゜いう。
そのとき私の目に飛び込んできたのは・・・・・。
真っ赤な葉トウガラシ
「花を買うのもよいけれど、これを真っ白なお皿に盛り付ければどんな花にも負けないと思うよ・・・・。」
かくして、真っ赤な葉トウガラシは我が家のテーブルに鎮座することになった。
忙しい二人が、共に日曜日の午後をトウガラシを眺めて過ごすと言う何とも変った夫婦なんである。
・・・・・それにしても美しい
光り輝いている赤い葉トウガラシに、しばし見とれつつ、我が家は幸せ色に包まれたのである。
「葉トウガラシ三題」
葉トウガラシ花に見立てし我を笑ふ妻ヘンな人と結婚したよと
日曜のありふれた午后のテーブルに来たれる真夏のサンタクロースは
真っ赤になり何を怒れる葉トウガラシは白い皿の上で真夏日を数える