風竿の「人生の達人」烈伝

愛すべき友、仕事・趣味の磯釣り・ゴルフ・音楽、少しの読書などにまつわるあくまで「ヒト」に重点をおいたブログです

糸電話

2013年02月23日 23時59分39秒 | 風竿日記

巷ではSNSが汎用化され、大変便利な時代が訪れた。

スマホを主体として、携帯電話が生活必需品の時代に、糸電話もないのだろうが・・・・、

その昔、幼い頃に竹筒にパラフィン紙を貼り、そこに木綿糸を通して糸電話を作ったものであった。

すると不思議なことに、振動で相手の声が聞こえるのである・・・・。

             

 

木曜日は毎月定例の佐世保地区7ケ店の支店長会議を催した。

この会議は一国一城の主が出席するので、いわば戦略に重点を置いた会議となるように、毎回特に配慮している。

結果もプロセスも当然大切なのだが、それよりもむしろ、そもそも論ではないが、一体どのように戦略構築しているのかを問いかける会議にしているのだ。

所謂、考え方を問われるので、一国一城の主とて、なまくら刀では太刀打ちできぬこととなるのである。

七ケ店の支店長が集まるので、私はいつも彼らを7人のサムライと呼んで鼓舞している。

佐世保に赴任して半年、この会議進行にも少しは慣れてきたのか、忌憚の無い意見が飛び交うようになってきたのは、まことに嬉しい限りである。

さらにここ三回ほどは、各店のお客様をお呼びして、一時間ほどの講話を拝聴させて頂くこととしている。

経営上のノウハウ、経営計画、仕事人生での体験談、信用金庫に対するご要望、何でも構わないので、本音で語りかけて欲しいと無理なお願いをしている。

今回は、大宮支店のお客様で、当金庫の熱烈な応援者のお方

いままで、たくさんのお客様をご紹介頂いている有難い支援者なのだ。

その分、愛情もあられるかわりに、時には厳しいことも仰って頂く極めて貴重なるお客様。

ご自身のこれまでの人生を振り返られての、

三人のそれぞれの分野の師匠のことをエピソードを交えて話された。

それは、換言すれば人のご縁の尊さの示唆であり、

切々とお話になる中にも、師匠とのご縁を大切にされているという、

それはそれは、心を打つものであった。

話の後半は、私共には少し耳の痛い話も飛び出した。

お客様との応対ぶりの話、クレーム処理のいたらなさを突いた話

等など、イチイチごもっともの有難い話なのである。

普段から、本音で語られるお人柄故に、歯に衣を着せない内容でもあったが、そこは謙虚に拝聴せねば、せっかくのお心が無になってしまっては勿体無いんである。

しっかりと、メモを取りながら、改善策をその度に考えて熱いご講演は終了した。

その後はすぐ近くにある安い居酒屋で第二部のスタート

実はねここからがとても価値のあるところ・・・・。

お酒を酌み交わすと、本音が加速するからなのだ。

はたして、そのお客様は、第二部ではもっと示唆に富んだお話をして頂いたのである。

私達に多少耳の痛い話をされたのは、心底わが信用金庫を愛されている証左なのがよく判る。

酒が進むにつけ、本音で打ち溶け合っていくサムライ達を、とても頼もしく思った。

いいお話、活きたお話を聴けて、実に有意義で有難い夜であった。

まさに知行合一・・・・されは実学にも通じる尊いOJTともなった。

携帯電話が便利な時代ではあるが、

すぐ近くの人にしか使えない「糸電話」こそが、コミュニケーションを最も大切にする私達信用金庫にとって、とても大切であると思わされた。

か細い木綿糸ではあるが、大切に糸を紡がなくてはなるまい。