1月7日で松の内も終わり、正月気分はあっというまに去って逝った。
毎年の吉例行事となった、ひぜしん役員うち揃って武雄神社に新年の祈りをささげて、早速常務会が開催された。
今年の最大の課題は3月末で時限の法律が切れる、金融円滑化法のゆくえである。
お上は、始め出口戦略などと云っておきながら、最近ではそんな呼び方はするなというのであるが、金融モラトリアムといわれたように、返済条件の緩和を積極的に仕向けておいて、経営に改善が図られていない先は、一定の基準でふるいにかけなさいというんであろう。
ところがである。
日本の中小企業は企業総体に占める割合が97%
戦勝国のアメリカとは違い、闇市を経て、戦後復興の中から小さな資本で商いを積み重ねてきたという、我が国独特の企業体質がこの結果に結びついているのだ。
この肝心な基本構造を政治の基本戦略のペースに置いてこなかったことから、今まで妙な金融政策の軋轢を生じてきたのだと思っている。
とりわけ零細企業さんとのお取り引きが多い、信用金庫にとっては、やはり、か細い光であっても、キャッシュフローが確保されている間は、しっかりとサポートしていくのが、私たちの最大の務めであると考える。
勿論、社会の公器たる金融機関として、リスク管理は当然に求められる資質であるが、リスクコントロールに重きを置きすぎると、私たちの本来の役割を見失うことにならぬのか、胆力と、体力を横目で見ながら、情と理のバランスの良いさじ加減が求められることになる。
新年早々、そんな真剣な会議をした。
夜は七草粥を食べた。
私は元々お粥が大好きである。
それは遠い昔のこと、麻疹にかかり、食事が喉を通らぬ時に、亡き母が作ってくれたお粥とリンゴの擦りおろしジュースの遠い記憶が強く残っているからであろう。
母と現世を共有する時間が極端に短かった私は、普通の親子であればなんとはない日常の出来事が、とても貴重な宝物なんである。
七草粥は無病息災を願って正月7日に食べる、古来よりの食習慣であるのだが、お粥という母に通じるキーワードが含まれている私には、精神的に欠かすことの出来ぬ夕餉なのだ。
今はスーパーで七草粥セットとして売ってあるので、湯通しした七草をお粥に混ぜるだけで簡単に出来上がる。
七草とは・・・・・
セリとスズナ、ナズナくらいは知っていたが、ホトケノザというのは意外であった。
庭の草むしりでいつも対面する草である。
草を喰らう食習慣、なんと日本的であろうか。
静かに七草粥を食して、母の優しさに触れたような気分になった幸せな夜であった。