1月4日、いつもより早く朝7時に家を出て、一路佐世保市へ
仕事始めの朝は、何とも云えぬ高揚感がある。
そして冬の朝独特の凛とした冷気も手伝ってか、身が引き締まる思いなんである。
新年のご挨拶回りを経て、11時から佐世保市の新年交歓会へ出席した。
会場のアイトワの大ホールには400人もの各界の知名士が勢ぞろいされていた。
国会議員もズラリ、県知事も駆けつけておられた。
多士済々、中々お会いできないお方が、揃ってテーブルを囲んでおられる。まさに営業のチャンスなのだ。
しかもさすがに米軍のベースキャンプの町、海上自衛隊の町
司令官を始めとして、幹部の皆さんがズラリと制服姿で並んでおられるのは、壮観である。
当たり前だけど知らないお方ばかり、会う人ごとに名刺を差し出し、覚えて貰うのに必死な私であった。
たまに旧知のお方を見つけると、まるで古い友人と会ったように嬉しくなったりする。
営業をする上で、人を知っていることの有利さをしみじみと痛感する。
これが本拠地武雄だと、名刺なんぞまったく必要がない。9割方知っているし、なんらかのお付き合いがあるからなのだ。
ということで、武雄市の賀詞交歓会にも夕刻5時から出席
こちらは前横後斜めから「おい尾形さん・・・・」と声が掛かる。
当たり前だけど、佐世保とは雲泥の差なんである。
新年の挨拶が飛び交う中、佐世保市も武雄市も政権が変わり、今年は景気が良くなるとの声が多く聞かれた。
そんな中で民主党の大串議員がポツンと佇んでいたので、声をかけた。
大蔵官僚だった彼は、若いがとても頭が切れるし、金融検査マニュアルを取りまとめた経験もあられ、現下の金融政策にとても明るいお方。
そこで、金融円滑化法のいわゆる出口戦略の方向性について小泉・竹中・木村剛ラインの時のような弱肉強食の荒っぽい不良債権の洗浄をすれば、
97%が中小企業という我が国は、とんでもないことになってしまうことを必死になって力説したのだった。
水清くして魚棲まず
かって、財務諸表で一定のレベルに無い企業は退場させたあのやり方を出口戦略に再登場させると、日本型の中小とりわけ零細企業は消え去ることになるのだと。
たしかに金融機関の不良債権とおぼしき債務者はふるいにかけられ、銀行の資産内容は綺麗な水になるのだろうが、そこには誰も棲まなくなると。
このことは金融庁の金融検査マニュアルが改訂される際のパブリックコメントに意見を申し入れた時の、そのままを再び申し上げたのである。
大串議員は私のいうことに素直に耳を傾けてくれた。
政権与党を離れたからなのか、とにかく謙虚であった。
たとえ過少であっても、キャッシュフローが出ている企業は護っていかねばならない。
これが地域金融機関としての私達の真の役割なのである。
私の小さな声が下野したとはいえ、国政を預かる人間に届いたかどうかは判らないが、そうあって欲しいと願うばかりである。