北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「量子力学のふしぎな世界(町田茂著・新日本新書2000刊)」を読んだ。町田茂(まちだしげる1926~2019)氏は、1949東大(理学部/物理学科)卒、1959理学博士(π中間子/核子散乱と核子の構造)/専門は量子力学。広島大学講師/1955立教大学助教授/1961同教授を経て、1966京大(理学部)教授/1990定年退官/同名誉教授となる。---------
この本「量子力学のふしぎな世界」の目次は次の通り。“自然は飛躍する/量子力学へ”、“状態と物理量”、“不確定性関係”、“波動関数は何を表わすか”、“観測とEPRパラドックス”、“状態と潜在性”---------
この本「量子力学のふしぎな世界」の内容紹介文は次の通り。ある人が東へ行く/と同時に西へ行く/と言うことが何時でも起きている。アインシュタインも/そんなことが起こるとは考えられない/と言った量子力学のふしぎな世界に出来るだけ数式を使わず挑戦。20世紀の物理学の最大の発見である“量子力学”を/数学の演算を一切使わずに解説。過去や未来へ行く論理的可能性を科学的に論じることのできる“量子力学”の不思議さを紹介する。--------
町田茂氏は、理論物理学/量子力学の学者/研究者として/東大に残られず/立教大学で10年ほどを過ごされたようだ。そして学位取得後は、京都大学理学部にその歩を進められた。理論先行で実験物理学者の活躍する時代となって/町田茂氏の研究は花開かなかった。しかし教育面においては、京大理学部に集まる頗(すこぶ)る優(すぐ)れた俊英たちに/とても難解な理論である量子力学を講義されていた。その薫陶を受けた学徒が今現在/理論物理の世界で羽ばたいていることだろう。この本「量子力学のふしぎな世界」の出版から既に22年を経過しているが/量子力学は一般には未だに敷居の高い学問であると思った。